【コラム】綾小路 翔コンピ(六本木伝説)はおもしろい、というかやっぱり綾小路 翔はおもしろい

【コラム】綾小路 翔コンピ(六本木伝説)はおもしろい、というかやっぱり綾小路 翔はおもしろい - 『綾小路翔PRESENTS 六本木伝説 ~六本木masuraoコンピレーション~』 発売中『綾小路翔PRESENTS 六本木伝説 ~六本木masuraoコンピレーション~』 発売中

“日本一のお祭り男”氣志團・綾小路 翔。彼が代表を務める東京最先端、都市伝説型ハードボイルドパブ『六本木 マスラオ』から、真夜中のコンピレーションアルバムが遂に登場! 宴会のBGMはこれで決まりさ!!

というコピーが宣伝資料の冒頭に掲げられている、『綾小路 翔PRESENTS 六本木伝説 ~六本木masuraoコンピレーション~』というCDが、2016年7月6日(水)に出る。
團長のお店のコンピレーションアルバム、ということで、氣志團とかDJ OZMAとか矢島美容室とか微熱DANJIとか格闘家の角田信朗など、氣志團まわり、綾小路 翔まわりの曲と六本木夜遊び最先端ソング(と宣伝資料に書いてある)を17曲収録。
角田さんの歌とかは、その「六本木夜遊び最先端ソング」の方である、という位置づけのようです。あと木村由姫の“LOVE&JOY”とかも入っていたりするが、そうか、これはDJ OZMAがライブでカバーしていた……というか、この曲をかけてOZMA&ダンサー一同で踊りまくるのがライブのピークタイムになっていたから入ってるのか、と、思い出しました。

團長が六本木でmasuraoという飲み屋をやっている、というのは、なんとなく知っていた。
僕は團長がTwitterを始めた時からフォローしているのだが、ある時期から「あ、六本木でお店始めたのか」「masuraoっていうのか」「今日も朝まで店にいたのか」みたいなことが、ツイートを見ていてわかるようになったので。
その店のコンピを出したい、というよりも、自分周辺の曲のコンピを出すにあたってお店の存在とうまいことリンクさせた、というところなのではないかと思うが、にしても。
全17曲、聴いていると何度もニヤニヤしてしまう。にぎにぎしくて、猥雑で、徹底的にB級で、そしてなんだかんだ言ってしっかりとポップで。

團長の作る楽曲、推定される実年齢のわりに、平成よりも昭和の時代の歌謡曲やロックやニューミュージック(という言葉を知らない人はお父さんお母さんにきいてみましょう。ご存知ないかもしれませんが)からの影響が色濃く出ているのが、その素敵な特徴のひとつだが、このアルバムにおいても、自身の曲も、周辺の曲も、そのテイストが貫かれている。
氣志團はロックバンドというフォーマットなので、そのへん以外にも洋楽やパンクやニューウェイブやロカビリーやナゴムレコードなど各種インディーなどのさまざまな影響がぶっこまれてああなっているが、こういうコンピになると、そのへんの雑多さよりも、昭和感の方がより前に出る気がする。

あと、考えてみれば、masuraoの「夜の六本木でシャンパン開けて大騒ぎ」みたいなイメージも(あくまでイメージです。行ったことないし)、ホストクラブならわかるがそうじゃない店として考えると、それ、バブル当時の感じ、つまり昭和が終わってギリギリ平成になった頃の空気感だ。
つまり、團長が青春時代にリアルタイムで経験してきたものではない、あとからそれを自分で作って追体験している、ということになる。音楽と同じわけですね。
もっと言えば、K-POPに着目してDJ OZMAを始めたのも、当時のK-POPの中にあった「昭和っぽさ」みたいなものにピンときたのかもしれない。今のK-POPは必ずしもそうではないと思いますが。

などと、こんなににぎやかで楽しいコンピなのに、「頭空っぽにして楽しめる」ってだけではなく、「聴くといろいろ考える」作用を聴き手にもたらすところも、團長の素敵なところだと改めて思う。
というか、だからこそ、あんなキャラだしあんな存在なのに、消えることもなく、バンドをやめて本当に芸能界に入っていくこともなく、ロックシーンにがしっと両足をつけ続けているんだなあ、と思ったりします。(兵庫慎司)
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