レッド・ツェッペリン、“天国への階段”盗作訴訟の法廷費用8千万円の請求を却下される

レッド・ツェッペリン、“天国への階段”盗作訴訟の法廷費用8千万円の請求を却下される

レッド・ツェッペリンが勝訴した“天国への階段”の盗作訴訟で、レッド・ツェッペリン側は裁判所に請求していた法廷費用79万ドル(約8000万円)について却下されたとAP通信が伝えている。

もともと訴訟を起こしていたのはスピリットというバンドのギタリストの故ランディ・カリフォルニアことランディ・ウルフの遺産管財人。スピリット側は1971年に発表された“天国への階段”のイントロとなるアコースティック・ギターによるアルペジオ演奏が、実は68年に発表されたスピリットのファースト・アルバム中の“Taurus”の中盤で登場する楽器演奏を盗用したものだと訴えていた。

さらに両バンドが1969年にフェスティヴァルで2度共演していて、スピリットがツェッペリンの前座を務めたこともあることから、“Taurus”からの盗用を作曲者のジミー・ペイジとロバート・プラントが行ったはずだとスピリット側は主張していた。

最終的に6月23日に行われた結審で陪審員団は“天国への階段”のイントロと“Taurus”の間奏の一部には似ているところはあったとしても、本質的に同じものだとはいえず、“天国への階段”が楽曲“Taurus”の著作権を侵害しているのかというとそうとはいえないという評決が下り、スピリット側の主張は退けられることになった。

ただ、その後問題になったのはツェッペリン側の法廷費用と諸経費の計79万3千ドル(約8009万円)の負担で、法廷用にかけていた保険の保険会社が支払いを拒否してきたこと。保険会社の言い分では、今回のこの訴えそのものが些末な言いがかりに発しているうえ、あまりにも昔にまで遡り過ぎているということで、金目的でアーティストに対してむやみに難癖をつけるだけの性質のものだからだという。つまり、こうした法廷費用の負担を保険会社で認めてしまうと、今後、際限なく過去にまで遡ってまったくなんの足しにもならない著作権関連訴訟をいくらでも起こされることにもなるからだとのことだ。

それでツェッペリン側は原告のスピリッツ側に法廷費を請求したが、裁判所はそもそも今回の訴えは些末な言いがかりではなく、充分法廷で争われるに足る内容のものだったとツェッペリン側の言い分を認めず、さらにスピリット側が金をせびろうとする悪意から訴えを起こしたとはいえないとし、ツェッペリン側の請求を却下した。

なお、スピリット側は6月の評決言い渡しの際には上告を前向きに考えているとローリング・ストーン誌に語っていた。
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