昨年、若手バンドシーンの筆頭に彗星のごとく現れたポルカドットスティングレイが、2017年4月26日(水)に1stミニアルバム『大正義』をリリースする。2016年に大きな話題となったミュージックビデオ“テレキャスター・ストライプ”の再生回数は今や300万回以上、そのほかGoogle AndroidのCMに抜擢されるなど、その活躍ぶりは誰もが目をみはるものだった。そしていよいよ投下される1stミニアルバムのリリースを前に発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』3月号では雫(Vocal/Guitar)のインタビューを実施。その中で雫は自身が監督したという“テレキャスター・ストライプ”のビデオについてこんなことを語っていた。「知らないバンドのMVなんて、曲が面白いだけじゃ見てもらえないじゃないですか。だからストーリー展開をすごく考えました。ロケーションチェンジと衣装チェンジを多めに入れて。だいたい1番が終わったら見るのをやめる人が多いだろうから、2サビの前にバニーガールになるくらいのパンチが必要だろうと(笑)」このインタビューを読んで、というかこのバンドを一聴した時点でやっぱり椎名林檎を連想した(ギターもデューセンバーグだし……)。雫の佇まいには椎名林檎にも通ずる「七変化感」があり、ある意味でその実態を定めていない。それは自らが自身を演出し、ハンドリングすることを表現の基盤としているからだ。インタビューからも自分がステージに立つ人間であるという自覚と「エンターテイナー」としてのサービス精神をビシビシ感じた。それは、雫がバンドマンである傍ら、ゲームクリエーターとしてもその才能を発揮していることにも通じる。「誰かを楽しませるため」に演出したり、もしくは「心を揺さぶるため」に自分という皮を一肌脱ぐ、凡庸を突破するというのはステージに立つ人間にとってある意味使命のようなものかもしれない。雫はこのインタビューの中で実にあっけらかんとその種を明かしている。そして、彼女がその使命を背負った表現者であることを改めて世の中に提示したということなのだと思う。とは言え、音楽は「演出」だけでは多くの人の耳には届かない。もちろんこのバンドが鳴らしている音も重要である。ジャキジャキとした大きめのギターサウンドと、ノリやすいのに決してありきたりではなく、テクニカルで気持ちのいいリズム隊、そして雫のボーカルは時には色気、時にはゾクッとさせる凄みのある低音を効かせる。それらを用いて演奏されるギターロックと歌謡曲を合わせた上に意識的に現代の流行を混ぜこんだ楽曲群、これら全てがポルカドットスティングレイの強力な武器となっているのだ。より多くの人の目に触れられるための「演出」と洗練されたバンドサウンド、そのふたつを兼ね備えてメキメキと知名度を上げている中、1stミニアルバムがどんな具合に仕上がっているのか、そしてどんなふうに世の中に広がっていくのか今からとても楽しみだ。ちなみに「ポルカドットスティングレイ」というバンド名はエイの一種から取っている。このエイは黒と白の水玉模様の体で一度見たら忘れられない強烈な見た目なのだが、やっぱり毒を持っているらしい。このバンドもそれに通じる妖しさがあると感じている。(渡邉満理奈)
【コラム:ポルカドットスティングレイ】表現者・雫は次なるロックアイコンの座を射止めるのか?
2017.02.20 19:40
昨年、若手バンドシーンの筆頭に彗星のごとく現れたポルカドットスティングレイが、2017年4月26日(水)に1stミニアルバム『大正義』をリリースする。2016年に大きな話題となったミュージックビデオ“テレキャスター・ストライプ”の再生回数は今や300万回以上、そのほかGoogle AndroidのCMに抜擢されるなど、その活躍ぶりは誰もが目をみはるものだった。そしていよいよ投下される1stミニアルバムのリリースを前に発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』3月号では雫(Vocal/Guitar)のインタビューを実施。その中で雫は自身が監督したという“テレキャスター・ストライプ”のビデオについてこんなことを語っていた。「知らないバンドのMVなんて、曲が面白いだけじゃ見てもらえないじゃないですか。だからストーリー展開をすごく考えました。ロケーションチェンジと衣装チェンジを多めに入れて。だいたい1番が終わったら見るのをやめる人が多いだろうから、2サビの前にバニーガールになるくらいのパンチが必要だろうと(笑)」このインタビューを読んで、というかこのバンドを一聴した時点でやっぱり椎名林檎を連想した(ギターもデューセンバーグだし……)。雫の佇まいには椎名林檎にも通ずる「七変化感」があり、ある意味でその実態を定めていない。それは自らが自身を演出し、ハンドリングすることを表現の基盤としているからだ。インタビューからも自分がステージに立つ人間であるという自覚と「エンターテイナー」としてのサービス精神をビシビシ感じた。それは、雫がバンドマンである傍ら、ゲームクリエーターとしてもその才能を発揮していることにも通じる。「誰かを楽しませるため」に演出したり、もしくは「心を揺さぶるため」に自分という皮を一肌脱ぐ、凡庸を突破するというのはステージに立つ人間にとってある意味使命のようなものかもしれない。雫はこのインタビューの中で実にあっけらかんとその種を明かしている。そして、彼女がその使命を背負った表現者であることを改めて世の中に提示したということなのだと思う。とは言え、音楽は「演出」だけでは多くの人の耳には届かない。もちろんこのバンドが鳴らしている音も重要である。ジャキジャキとした大きめのギターサウンドと、ノリやすいのに決してありきたりではなく、テクニカルで気持ちのいいリズム隊、そして雫のボーカルは時には色気、時にはゾクッとさせる凄みのある低音を効かせる。それらを用いて演奏されるギターロックと歌謡曲を合わせた上に意識的に現代の流行を混ぜこんだ楽曲群、これら全てがポルカドットスティングレイの強力な武器となっているのだ。より多くの人の目に触れられるための「演出」と洗練されたバンドサウンド、そのふたつを兼ね備えてメキメキと知名度を上げている中、1stミニアルバムがどんな具合に仕上がっているのか、そしてどんなふうに世の中に広がっていくのか今からとても楽しみだ。ちなみに「ポルカドットスティングレイ」というバンド名はエイの一種から取っている。このエイは黒と白の水玉模様の体で一度見たら忘れられない強烈な見た目なのだが、やっぱり毒を持っているらしい。このバンドもそれに通じる妖しさがあると感じている。(渡邉満理奈)