昨年のドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』と主題歌“恋”の大ヒットの勢いそのままに、今年もエッセイ集発売にMV集発売、先月からは自身初のアリーナツアーがスタートするなど多分野で話題に事欠かない音楽家・俳優・文筆家の星野源がパーソナリティーを務める『星野源のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)。先日13日深夜の放送は「聴取率調査週間」(通称スペシャルウィーク)といわれる週で、各局のラジオ番組がゲストなどを迎え特別なプログラムを組む中、この番組は「源と隆と友近の 初夏 2時間ぶっ通し!カラオケパーティー!」と銘打たれた企画がオンエアされた。
これは昨年12月に放送された「源と隆の クリスマス 2時間ぶっ通し!カラオケパーティー!」が半年ぶりに帰ってきたもの。タイトル通り星野源とゲストの藤井隆が2時間通してカラオケをする企画なのだが、今回は加えて友近も参加した。
「2時間ぶっ通し」という名の通りオープニングから3人で番組はスタート。星野は「前回、年末にやった企画があまりにも楽しい、そして大評判」だったと振り返る。「皆でダラダラとカラオケをしていけたら」と説明し実際のお酒で乾杯をして深夜のパーティーは始まった。
1曲目は藤井がCAPSULEの“music controller”を選曲。歌詞に「カプセル」と入っていながらも音楽自体の賛歌に取れるフレーズ《愛と夢と音を詰め込んだ/副作用は幸せ》と張り上げて歌う藤井にタンバリンや手拍子を思い思いに入れる星野と友近。深夜、友達とカラオケに来たような、あの何とも言えないような楽しさが湧いてくるスタート。
続く2曲目は星野が藤井の曲である“ナンダカンダ”を選曲。かと思いきや歌い出しを藤井が奪いふたりの贅沢なコラボで歌い上げた。
藤井と先日NHKで放送された『おげんさんといっしょ』を振り返ったりしながら、続く友近が選曲したのは中山美穂の“WAKUWAKUさせて”。姿は見えないものの星野と藤井の笑い声や曲の後のコメントからリズミカルにダンスしながら歌っていた様子が想像でき、ラジオというメディアならではの面白みが溢れる。
モノマネで鼻を酷使したためか「鼻うがいしてきます」と言い残しここで友近が一旦退室。友人の演歌歌手「水谷千重子」が登場した。ブースの中に居たADと作家の寺坂直毅に直接最低(笑)な名前を付ける深夜ならではのただ楽しいやり取りなどの後、藤井と水谷で、堀内孝雄・桂銀淑の“都会の天使たち”をデュエット。水谷のこぶしの効いた歌声が響き渡る。
友近が戻って来てからも番組はリスナーを巻き込むようにパーティーが続く。藤井が小学5年生の時に初めて買ったというレコードから、戸川純の“玉姫様”を歌うが、思いがけず想像してしまう歌詞の連続に苦笑が漏れる。満を持して星野が自身の曲“恋”を入れるも藤井と友近によるフリースタイルの「恋ダンス」が繰り広げられ星野も「こんなに笑ったの久しぶりだよ」と言うように2番以降ラジオからはほとんど笑い声しか聞こえない状態に。
そんな大はしゃぎの中で友近は工藤静香の“恋一夜”を選曲し藤井の変顔による邪魔にも負けず気持ちよく歌い上げた。
2時間の番組を締めるラストはカラオケの定番ソング、モーニング娘。の“LOVEマシーン”。リスナーに合いの手を求めながら3人で歌い、楽しい深夜のカラオケパーティーを終えた。
星野はたびたび「音楽もAVの話も一緒」だとラジオで語る。それは、同じように「好き」という気持ちがそこにあるからだ。今日の放送でもカラオケという「音楽」をベースにしながらも下ネタにモノマネに、と様々な方向で遊び、楽しませてくれた。なにより、星野自身も楽しんでいる様子が伝わるからこちらも笑顔になってしまう。「好きなものは好き」、音楽もお笑いも面白ければ偏見無く吸収してしまう。人として意外と難しいこのことを星野はやってのけ、さらにエンターテイメントとして私たちに提示してくれる。
これからもその気持ちが続く限り音楽に俳優に文筆にラジオパーソナリティーに、様々なジャンルを横断して我々を楽しませてくれるはず。そんな星野源の今後の活動と彼のラジオを変わらず楽しみにしていきたい。(菊智太亮)
星野源『ANN』、藤井隆&友近(&水谷千重子)との2時間カラオケパーティーはこんなにも楽しすぎた
2017.06.15 22:00