マエストロ揃いのバンドが曲の良さを力強く引き出し、ときには二人あるいはソロ弾き語りのパフォーマンスが情景と心模様を鮮やかに描く。楽曲の並びも素晴らしくて、約2時間の20曲があっという間だった。
5月に28歳になったという彼女は「夢から醒める瞬間、魔法が解ける瞬間」という言葉を使って、人々が生活の中で経験し得る痛みや孤独について語っていた。最新アルバム『ベッド・シッティング・ルーム』は、まさにそういうテーマが根底に流れる作品だ。
でも、宇宙まおのポップマジックというのは、そもそも音楽の鳴っている時間・空間を夢見心地にするだけの魔法ではなくて、痛みや孤独に意味を与え、音楽が鳴り止んでから始まる新しい生活を永遠に変えてしまう魔法だ。そういう意味で、宇宙まおの魔法は解けないのである。
それにしても、凄い曲がどんどん増えている。熱く声を上げるオーディエンスもたくさんいて、本当に楽しい時間だった。後日公開のライブレポートに詳しく書きます。ぜひお楽しみに。(小池宏和)