(毎日レビュー6日目)
通常盤のみ収録M13 生きろ
M14 JAM LADY
M15 Traffic
CDのみの通常盤には、全盤種に共通して収録される12曲に加えて、それぞれメンバー自身が作詞・作曲を手がけた楽曲が3曲収録される。M13“生きろ”は渋谷すばるが作詞・作曲だけでなく編曲まで自身で担当。たとえ上手に生きているとは言えなくても、自分自身を生きることだけは絶対に譲らない、そんな渋谷の生き方を投影したこの楽曲に、他のメンバーもそれぞれの「自分自身を生きること」をまっすぐ演奏と歌にぶつけていることがはっきりと感じられる。これまでの彼らの楽曲の中でも特に力強い、裸の7人の音と声の「ジャム」がここにある。安田章大の作詞・作曲によるM14“JAM LADY”は、どんな現場においても温かい空気で人々を包み込む柔らかさを持ちながらも、音楽を通じてのコミュニケーションによって最も自由で開放的になれる安田が、ソングライターとして一際ハジけまくっているミクスチャー・パーティー・チューン。そんな安田の音楽的自由さを全員アゲアゲで迎え撃つこの感じ、最高だ。そして錦戸亮が作詞・作曲、そして編曲もPeachと共に彼自身が担当しているM15 “Traffic”。7台の車がスピードを競い合うカーチェイスのような演奏で、黒光りするファンキーグルーヴが紡がれるこの曲は、関ジャニ∞の持つ男気を、豊かなロックの引き出しでカッコよく表現することを追求してきた錦戸のソングライティングの現時点での最高峰の仕上がりだと言えるだろう。
僕は以前から、メンバー同士が強い絆で繋がっているグループはたくさんあるけれど、関ジャニ∞は、草木でたとえるなら、土の中の深いところにある根っ子の部分で7人がしっかりと繋がっているグループだと感じていた。昨日のレビューでご紹介した限定盤のみ収録の2曲において「共同作業」によって描かれた「繋がり」が、この通常盤のみ収録の3曲においては「個」の才能のぶつかり合いによって同じ濃さで描かれている。そこに僕は関ジャニ∞の、グループとしての決して折れない強さの理由があると思う。(古河晋)