新作リリースを控えたノエルの自主レーベルから届いた斜め上を行くバイオグラフィー全文掲載

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ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズのニュー・アルバム『フー・ビルト・ザ・ムーン?』が11月22日(水)に日本先行発売されることが発表となったばかりだが、ニュー・アルバムのリリースの発表に合わせ、ノエル・ギャラガー自身が設立したレーベル、Sour Mash Recordsからブラック・ジョーク溢れるバイオグラフィーが到着した。

バイオグラフィーの全文訳は以下。

ノエル・ギャラガーは自身のオアシスの過去を濡れたおむつのように蹴飛ばすと、尻をむき出しにした脆弱な状態でソロ・キャリアへと駆け出していった。それは正直なところどちらにも転び得たものだったが、今全人類は彼の大胆な決断に間違いなく感謝すべきである。この最新作が届ける一連の曲の壮大さは、高い評価を博した過去のソロ作の目も眩むような高みをも越えるのだから。マザーファッカーたちよ、無風地帯から抜け出して覚悟するがいい…。

ノエル・エドワード・モンタギュー・ギャラガー(訳注1)の存在は1994年に国民の意識に焼き付けられた。『フォレスト・ガンプ』、シットコムの『フレンズ』、そして英仏海峡トンネルの開通と同じ年である。しかし23年後、ノエルはそれら他の三者を合わせたものをはるかに凌駕する音楽的存在へと進化している。ぼさぼさ頭でふんぞり返り、トラックスーツを着こなし、かのモーゼスも分けることができなかった眉をした、バーンリーからやって来た少年のストーリーは周知のところである。貧しい生い立ち、アライド・カーペッツで世界を回ったこと、そして今はより才能のある兄への臓器提供候補者としてのみ存在を認められた弟。大きな夢を持った労働者階級の少年の物語は、今や国民の精神の一部となっている。しかしそれらはみな遠い昔の話である。最新のソロ・アルバムは、ロックンロールの歴史において、オアシスがノエルというソロの蝶にとっての単なる毛虫として残るに過ぎないことを示唆しているのだ。

「ザ・チーフ」。スタッフにそう呼ばれることを求める彼は、言わずと知れたオアシス後期のアルバム数作以外のロックを大量生産するだけでじっとしていたことは一度もなかった。しかし、直立はするものの毛むくじゃらの猿人から、キラキラ光る小さなシルバーのブーティを履いた、エレクトロニックなスペース・ジャズの未来人へとノエルが音楽的進化を遂げたのは、彼のソロ作品においてなのである。かわいこちゃんよ信じておくれ、『フー・ビルト・ザ・ムーン』はGrindr(男性の同性愛者・バイセクシャル向けSNS)では「リトル・ヴェニスからやってきたリトル・メナス」の名前で知られている彼による音楽の中で、僕たちが今までに聴いたことのあるどんなものとも違う響きがするんだ。これはまったく今の音がする、エキサイティングで、成熟した、まっさらのロックンロールなのだ。過去を彷彿とさせるというよりは、未来と熱い握手を交わしている。

そしてさらには、『フー・ビルト・ザ・ムーン?』はスタイルのみならずメソッド的にも新たな展開を見せている。ハロー・キティのサッチェル(小型のバッグ)に曲を詰めてスタジオ入りし、じっくり完成させていくという通常のやり方の代わりに、ノエルはこの未来のプラチナ・アルバムを、すべての作曲プロセスをスタジオに封じ込めて料理した。プロデューサーのデヴィッド・ホームズの注意深い耳のもと作業されたこれらの実験室の諸条件にはペギー(ギャラガー家の母親)のお気に入りの息子の創造力が凝縮されており、その完成品が『フー・ビルト・ザ・ムーン』。今日この瞬間に、あなたの湿っぽい小さな手に試験管ベビーのごとく届けられる。ゆったり座り、耳を澄ませ、ラヴリーで好奇心旺盛でとびきりイカシたヤツに心をぶっ飛ばされよう。『フー・ビルト・ザ・ムーン?』(月を築いたのは誰?)それはノエル・ギャラガー。他のみんなは手を伸ばすだけでいい。

僕たちはもう確実にオアシスにはいないのさ、ドロシー…。

2019年8月29日
ルパート・バッシュフォード・ティラーマウス卿


なお、このバイオグラフィーを執筆したというルパート・バッシュフォード・ティラーマウス卿の本名は明かされていない上、日付も2019年8月29日と、未来のものになっている。

新作リリースを控えたノエルの自主レーベルから届いた斜め上を行くバイオグラフィー全文掲載


『フー・ビルト・ザ・ムーン?』のリリースの詳細は以下。

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