ジャスティン・ビーバーのライブでテロ画策の17歳英国人少年に有罪判決。「僕はISISの兵士」

ジャスティン・ビーバーのライブでテロ画策の17歳英国人少年に有罪判決。「僕はISISの兵士」

今年の6月に行われたジャスティン・ビーバーの英カーディフ公演でのテロ事件を企てていた17歳の少年に、有罪判決が下されたことが明らかになった。

このジャスティンのライブは、アリアナ・グランデのコンサート会場となったマンチェスター・アリーナでの爆破テロ事件からほぼ1ヶ月後の現地時間6月30日に行われたものだ。

「The Guardian」によると、少年は公演会場となったカーディフのプリンシパリティ・スタジアム周囲の警備体制の調査を行っていた他、自爆を決意したISISからの影響を色濃く受けた遺書も用意されてあったのだという。報道によると、少年はイギリス人であり、移民系の市民ではないとのことだ。

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少年の行動を追っていた警察は、テロ決行の可能性が高いとしてジャスティンのライブが行われる当日に少年を自宅で逮捕したところ、通学用のリュックの中から金槌と刃渡りの長いナイフと遺書を発見したという。遺書には次のような文章が綴られていたことも裁判で明らかになっている。

ぼくはイスラム国の兵士です。今日、カーディフを襲撃したのは、あなたたちの政府がシリアとイラクで標的を爆撃し続けるからです。これからもテロ襲撃は続きます。


さらに、この遺書には弾丸の形に描かれた矢印に続いて「不信心者は車で轢いてしまえ」、「アラーに逆らう背教者は首から一太刀にしてしまえ」などと書かれてあったという。

しかし、少年はISISについて好奇心は持っていたけれども、テロ行為を本気で決行するつもりはなかったとテロ行為未遂の容疑を否定し、さらにネットでテロ行為を扇動したことや、ISISの宣伝雑誌などのデータを所有していた容疑なども否定している。

さらに自分はコーラン(イスラム教の聖典)を持っていない、イスラム教を信じていないし、さらにハムを食べるとも法廷で証言し、次のように動機を説明した。

今は警察や政府がテロリズムや過激派活動を厳しく取り締まっているから、テロリズムに興味のある人にとってネットで情報を取ってくることがどれだけ楽にできるかどうか知りたかった。本当に出来るかどうか知りたかったんです。自分のためにじゃなくて、第3者の視点としてそれを調べたかった。


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しかし少年は逮捕された当初、警察の取り調べに対して、アル・バグダディと自称する人物とInstagramで連絡を取り合っており、その中でイスラム教に入信していないから少年は地獄に落ちる運命だが、楽園に行きたかったらテロ活動を行う必要があると言われていたことを明らかにしていたという。

さらに警察の捜査では少年が昨年6月頃からジハーディ・ジョンとして知られるクウェート系のイギリス人ISISメンバーをネットで調べていたことが判明。ナイフや自動車を使ったテロ襲撃を解説したISISの宣伝パンフレットの電子版などもノートパソコンに保存されていたという。

そして1年後の今年6月には、少年は「アルカイーズ」というInstagramのアカウントを使い、ISISの旗やテロリストの画像などをネットに拡散するようになっていて、カーディフでのテロを扇動していたとみられている。

Justin Bieber - Love Yourself

また、問題のジャスティンのライブの直前には、会場のセキュリティや不信心者からの車の盗み方などといったキーワードの検索をかけており、さらにナイフでの人の殺し方を解説するサイトも訪れていたことが明らかになっている。

裁判では陪審員団の評決により有罪とみなされたが、裁判長のマーク・ウォール判事は刑期については無期刑を採用するかどうかも含めて相当な熟慮を要するとし、来年1月10日に刑を明らかにすると言い渡した。

検察側はジャスティンのライブまでの数ヶ月の少年の行動から、今年3月にロンドンの国会議事堂脇のウェストミンスター橋で起こった自動車による暴走テロ事件に類した大量殺人を画策していたことは明らかだとしている。

なお、有罪判決は確定しているものの、量刑が言い渡されるのは来年の1月になるとのことだ。今回のテロが画策されていた会場、プリンシパリティ・スタジアムの収容人数は7万人超であり、もしテロが実行されていれば多数の犠牲者が出ていたとも考えられる。

この件に関するジャスティン・ビーバー側からのコメントなどは発表されていない。
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