最初に書いたように、10周年を目前にしたflumpoolは確かに前を向いていた。しかし“To be continued...”や“WINNER”ではなく、“とうとい”をリード曲に据えたのはきっと、自らのバンドとしての意欲よりもまず先に、この9年間を共にしたファンに感謝を伝えたかったからなのだろう。窮地の場面ですら相手のことを気に掛ける人なのかと驚いたからよく憶えているのだが、声が思うように出なくなった時、山村はオーディエンスに「みんな、優しすぎるよ。きっと今日だけじゃなくて、いつもいろんな人に優しくしてるんでしょ?」と語りかけていた。このシングルから滲み出ているのは、そういう彼らの地の部分だ。時にはぶつかりあいながらも、ここ1、2年でバンドとしての団結感をますます高めてきたflumpool。20年以上にわたって一緒にいるからこそのメンバー同士の絆も、拭えない後悔もそのまま曝け出しながら、9年間歌い続けてきた「それも含めて人生ならば前を向いて歩いていこう」というメッセージへと昇華していく戦い方は、このバンドをどんどん生身にさせていった。そんな彼らのことだからきっと、復活後はさらにすごいことになるはず――というふうに、今回届いたシングルは、待つことしかできない私たちの心を軽くしてくれるようなものである。何度目のことかもう分からないけど、結局はまた、聴き手を想う彼らの温かさを受け取ってしまう結果になってしまったのだと気づいて、何だか少し笑ってしまった。だから今は、ただ静かに快復を願っていたい。そしてまた再会できた日には、こちら側からの「ありがとう」を届ければいいのだから。(蜂須賀ちなみ)
flumpool、活動休止前からリリースが決まっていた新シングル『とうとい』が教えてくれること
2017.12.27 18:30
最初に書いたように、10周年を目前にしたflumpoolは確かに前を向いていた。しかし“To be continued...”や“WINNER”ではなく、“とうとい”をリード曲に据えたのはきっと、自らのバンドとしての意欲よりもまず先に、この9年間を共にしたファンに感謝を伝えたかったからなのだろう。窮地の場面ですら相手のことを気に掛ける人なのかと驚いたからよく憶えているのだが、声が思うように出なくなった時、山村はオーディエンスに「みんな、優しすぎるよ。きっと今日だけじゃなくて、いつもいろんな人に優しくしてるんでしょ?」と語りかけていた。このシングルから滲み出ているのは、そういう彼らの地の部分だ。時にはぶつかりあいながらも、ここ1、2年でバンドとしての団結感をますます高めてきたflumpool。20年以上にわたって一緒にいるからこそのメンバー同士の絆も、拭えない後悔もそのまま曝け出しながら、9年間歌い続けてきた「それも含めて人生ならば前を向いて歩いていこう」というメッセージへと昇華していく戦い方は、このバンドをどんどん生身にさせていった。そんな彼らのことだからきっと、復活後はさらにすごいことになるはず――というふうに、今回届いたシングルは、待つことしかできない私たちの心を軽くしてくれるようなものである。何度目のことかもう分からないけど、結局はまた、聴き手を想う彼らの温かさを受け取ってしまう結果になってしまったのだと気づいて、何だか少し笑ってしまった。だから今は、ただ静かに快復を願っていたい。そしてまた再会できた日には、こちら側からの「ありがとう」を届ければいいのだから。(蜂須賀ちなみ)