映画賞レースで注目のジェームズ・フランコ、5名の女性からセクハラ告発。しかし女優らから擁護の声も

映画賞レースで注目のジェームズ・フランコ、5名の女性からセクハラ告発。しかし女優らから擁護の声も

史上最低の映画とも言われている『The Room』(2003)の製作を描いた映画『The Disaster Artist』の監督・主演を務め、ゴールデン・グローブ賞のミュージカル・コメディ部門で主演男優賞を受賞したジェームズ・フランコだが、授賞式の直後に復数の女性からセクシャル・ハラスメントの告発を受けている。

フランコのセクハラ疑惑の浮上により、出演を予定していた「New York Times」主催のトーク・イべントそのものが中止に追い込まれたことが話題になっていたが、このイベントの前に放送された米トーク番組「The Late Show with Stephen Colbert」の中で、以下のように疑惑をすべて完全否定している。

ツイッターでいくつか言われてることがあるんだけど、実際には読んでないんだ。人から聞いただけでね。まずね、アリ・シーディについては僕が何をしたのか、さっぱり分からないんだよ。オフ・ブロードウェイで彼女が出演した芝居をぼくが演出したんだけど。アリとはすごく楽しく過ごしたし、アリのことはすごく敬愛してるよ。

なにを彼女がそんなに怒っているのか、僕にはまるで分からないんだ。しかも、ツイートも削除しちゃったし。まるで分からないよ。アリについては本当に、身に覚えがないんだ。

他の件については、僕は自分がやってきたことの責任を取るってことを自負として生きてきてるんだ。自分のためにもそれはやらなきゃならない。なんか間違ったことがあった時や、改めなきゃならないことがある時、僕はそうしてきたし、そうすることを自分の生き方にもしてきた。

僕が聞いたツイッターでの色んなことは正確じゃないんだけど、それを告白して、それを言えるようになったことについて僕はよかったことだと思うし、それはこれまであまりにも長い間、そういう発言が許されてなかったからだと僕は思うんだ。だから、言われていることについて(女性たちを)黙らせようとは少しも思わないよ。そのこと自体はいいことだし、僕もそうすることを支持するから。



なお、現在までに計5名の女性から告発を受けているフランコだが、最初の告発者はヴァイオレット・パリーという女優によるものだ。

セクハラ糾弾運動「Time's Up(年貢の納め時)」の賛同者が黒い衣装を着用して出席したゴールデン・グローブの授賞式だが、フランコもその賛同者として黒いスーツで出席。「Time's Up」のピンバッジも付けていたフランコだったが、ヴァイオレット・パリーは「素敵なピンバッジね」と以下のように皮肉を含んだ告発を行った。

「Time's Upの素敵なピンバッジね、ジェームズ・フランコ。車の中で、私の頭をあなたの性器に押し付けた時のことを覚えてる? 私の友だちが17歳の時、彼女に自分のホテルに来るように言ったこともあったわよね。しかもこれは、他の17歳の子にも同じことをしたのがバレた後だったのよね」

ヴァイオレットのこの他のツイートによると、この行為の後フランコから電話で謝罪されたものの受け入れなかったのだという。

さらに女優のサラ・ティサー・カプランは、フランコとの撮影中、1日100ドル(約1万1000円)のギャラでヌードを強要されたとツイート。ヌードの件、そしてギャラの件については契約書を交わしていたというが、「100パーセント断りようがなかった」のだと糾弾した。


また、元女優のアリー・シーディは「ジェームズ・フランコが今(ゴールデン・グローブ賞を)受賞した。わたしが映画/テレビ業界から身を引いたわけはどうか聞かないで」と暗にその責任がフランコのせいであると言わんばかりのツイートを投稿していた。(現在は削除されている)

さらにこの他にも自らが講師を務めた演劇学校の生徒らからも告発を受けているフランコは、先日行われた放送映画批判家協会賞の授賞式を欠席。同賞にて、フランコはゴールデン・グローブ賞と同じく『The Disaster Artist』での演技が評価され主演男優賞を授賞している。

友人らはフランコが「この件について思い悩んでいる」と明かしており、友人らが揃ってフランコの精神状態を心配している状況なのだという。告発を行った演劇学校の生徒らには自らアプローチし問題の解決を試みているとも報じられており、最初の告発者であるヴァイオレット・パリーにも謝罪を行っていることなどから、アシュレイ・ジャッドなど、フランコを庇う発言をする女優も出てきている。

なお、フランコは上記の「The Late Show with Stephen Colbert」の中で、自分のこれまでの生き方についても以下のように語っていた。

つまり、僕の生き方というのは、この先起きるかもしれない賠償についていつも心配してたらとてもやっていけるものじゃないってものなんだよ。そうなったらそうするだけで。もし間違ったことをしちゃったら、それを直していくしかないんだ。そうするしかないからね。

だから、物事はそういう風にしかなっていかないんだよね。他にどうしたらいいのか、僕には分からないんだよ。

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