ONE OK ROCKが掲げた“Change”という渾身の共闘宣言に寄せて

ONE OK ROCKが掲げた“Change”という渾身の共闘宣言に寄せて - 『Change』『Change』
いよいよ配信リリースされたONE OK ROCKの新曲“Change”。すでにHondaの企業CM「Go, Vantage Point.」でオンエアされているこの曲の、不屈のチャレンジングスピリットと壮大な高揚感を高純度で結晶させたようなハイパー&ハイブリッドなサウンドスケープには、何度聴いても驚きと感激を禁じ得ない。

ギターの轟音が繰り出す爆発力、荒削りで生々しい衝動感や疾走感……といった既存の「ロックバンドらしさ」の枠組みに囚われることなく、自らの経験やバックグラウンドの殻にこもるのでもなく、未知の音世界の真っ只中へと勢いよくダイブしてみせるその姿勢が、まったく新しい次元のロックの地平を描き出している――そんな楽曲だ。


《If we’re not moving forward/Then what are we moving for?》(前進しないのなら/僕らは何のために動いてるんだ?)という真摯な問いかけから始まるこの曲。《Fighting a losing war》(負け戦を戦いながら)や《この声で響かす/SOSのサイン/道なき道を進み目指す場所へ》といったフレーズからは、ONE OK ROCKが今なお自分たちの現状を「苦しい闘い」と位置付けていることが窺える。2010年代屈指のサクセスストーリーを体現し、3月からは4大ドームツアーを開催するロックバンドが、である。

「ONE OK ROCKが好きなファンから、僕らを超えるような、とんでもない世界規模のやつが現れることを、切に願っています」……そんなTaka(Vo)のMCを、先月リリースされたライブ映像作品『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』でも観ることができる。
「ロックで世界規模の栄光を獲得すること」ではなく、ワールドツアーを通して体感した世界の(特にアメリカの)シーンのリアリティを糧として自らの音楽を進化させ、日本のオーディエンスも音楽シーンも丸ごと未知の高みへと導くこと――言い換えれば「ロックで日本を変える、ひいては世界を変えること」を理想として掲げて邁進しているONE OK ROCKのマインドを、この“Change”からダイレクトに感じることができるはずだ。

《You know it’s not too late for us to make a change》(僕らが変わるのに遅すぎるなんてことはない)
眩いばかりの音像とともにサビで掲げられるこのフレーズはそのまま、今この瞬間を闘い生きようとする者への、ONE OK ROCKからの渾身の共闘宣言である――僕はこの“Change”という曲をそんなふうに受け取った。そして感動した。来るドームツアーは日本のロック史に刻まれる名場面となることだろう。今から胸が躍って仕方がない。(高橋智樹)
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