アクモン新作、作風の変化はレナード・コーエンのある発言がきっかけ? アレックスが語る

アクモン新作、作風の変化はレナード・コーエンのある発言がきっかけ? アレックスが語る - Photo by Zackery MichaelPhoto by Zackery Michael

5月11日に6thアルバム『トランクイリティ・ベース・ホテル・アンド・カジノ』をリリースしたアークティック・モンキーズだが、英ラジオ局「BBC Radio 6」のインタビューに答えたアレックス・ターナーが、これまでの作品との作風の違いについて語っている。

アレックスはまず、『トランクイリティ・ベース・ホテル・アンド・カジノ』とザ・ラスト・シャドウ・パペッツの『エヴリシング・ユーヴ・カム・トゥ・エクスペクト』やアークティック・モンキーズの前作『AM』との違いを以下のように話した。

たぶん、前のアークティック・モンキーズのアルバムや、この間俺がマイルズ・ケインと作ったアルバム(ザ・ラスト・シャドウ・パペッツの『エヴリシング・ユーヴ・カム・トゥ・エクスペクト』)に入ってる曲には、曲自体がその曲についてを歌ってるようなものがあるんだよね。例えば(『AM』の)“Why'd You Only Call Me When You're High?”とかみたいに、曲自体で全部完結しちゃってるというか。

それが『AM』のほかの曲に影響して、なんかそういうモードになっちゃってたのかもね。でも、今回のアルバムでは、前作みたいに自分のアイディアを全部別々のものとして分けて、それを全部3分間に収めようっていう思いには至らなかった。

そのおかげで今回は、色んなアイディアをアルバム全体に行き渡らせることができて、それと同時にすべてが同じ方向を向くようにすることもできたんだ。


一方で、今回の楽曲の歌詞には「俺は『インテグリティ(誠実)』という香水を発表する/俺自身が人に所有されることはないことを俺は事実として売ってみせる」などという歌詞もあり物議を醸しているが、こうして歌詞の一部だけが抜き出されて取り沙汰されることについても次のように語っている。

確か以前、レナード・コーエンが作曲についてこういうことを言ってたと思う。レナードの曲から強烈なフレーズだけ1、2行取り出してきたら、それだけだと「なに言ってんだ、こいつ?」ってなるけど、全体の文脈を聴き取れたらどうしてそういう表現になるのか、しっかり分かるっていうね。レナードみたいな「書き手」の歌詞だと特にね。レコード全体の中でその曲を聴けば、レナードの伝えたいことがすべて分かるんだよ。

「曲のある箇所だけ引っ張ってきても、まるで誰にも通じない」ってレナードが語っていたのを聞いたことで、俺も今回のアルバムは全体を通してひとつの作品になるようなものにしようと思えたし、ひとつひとつの曲がそれぞれの意味を持っていなくてもいいんだと考えられるようになったのさ。

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