『カメラを止めるな!』をまだ観ていない人へ

『カメラを止めるな!』をまだ観ていない人へ
映画でもなんでも、もの作りにちょっとでも本気で挑戦したことがある人ならわかると思うのだが、最初から何もかも思い通りに動かしながら作品を生み出せる人はいない。
万が一、もともとそういう環境を手に入れている人がいたとしても、その人はそこから面白いものを生み出す力を得ることはできない。
なぜなら思い通りにならないことの中に面白さの種が詰まっているからだ。
そしてその思い通りにならないことを、何もかも思い通りにする力に変えていくことができるのが、才能のある人であり、優れたクリエイティビティを持つチームなのだと思う。
きっとそれは人生も同じで、たくさんの思い通りにならなかったことを、たくさんのことを思い通りにする力に変えることができた人が成功者になるのだと思う。

映画『カメラを止めるな!』には、思い通りにならなかったことへの愛憎が詰まっている。
思い通りにならないからこそ面白さが生まれる奇跡への賛美も詰まっているし、思い通りにならないことを嘘や打算で誤魔化すことへのアンチテーゼも詰まっているし、愚痴ったり色ボケしたりして真剣に作品に向き合わないことへの怒りも詰まっているし、思い通りにならなかったことすべてを何もかも思い通りの面白さに変えてしまう復讐心も詰まっている。
そして最終的には、 一度カメラが回ったらどれだけ思い通りにならないことがあっても最後まで本気で奇跡を起こそうと情熱を注ぎ続けることの大切さと素晴らしさを伝えようとしていて、この映画が結果的に計算し尽くされた面白さを持っていることがその何よりもの証明になっいる。
この映画を観ない人は人生を損している、久々にそう断言したくなるような傑作だ。(古河晋)
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