ロッキング・オンの、新世代先取りイベント「JAPAN’S NEXT」。ネクストブレイクを期待させるアクトが集い、熱いライブを繰り広げるおなじみのこのプロジェクトが、先日初のサーキットイベントを開催した。その名もJAPAN’S NEXT 渋谷JACK 2018 SUMMER。渋谷・円山町界隈の7つのライブハウスにRO JACK優勝アーティスト5組を含む、総勢63組のアクトが出演し、熱演を繰り広げた。
この日は記録的な猛暑だったが、チケットは完売。サーキットイベントの面白いところは、まだ見ぬ魅力的なバンドに出会えることだし、演者としては新たなファンを獲得し、自身のネクストステージにつなげるきっかけになり得るというところ。しかし来場者は気軽に会場間を行き来できる分、ライブの内容次第では、容赦なく別の会場へ移動してしまうという怖さもある。つまり、偶然ライブを見に来てくれた観客の心と時間を、その演奏のみでどれだけ「ジャック」できるかという、ガチの勝負の場でもあるということだ。
中にはライブが進むほどに観客が増え続け「入場規制」がかかる会場も。ひとつでも多くお気に入りアーティストを見つけようという貪欲な早耳リスナーたちの心をつかむために、持ち時間に全力を注ぐアーティストたち。各会場のトリを務めた7アクトの写真からもわかる通り、そのパフォーマンスは、いつものライブとはまた違った気概に満ちていて、思いもよらない熱狂を生むこともある。
今回の渋谷JACKでも、そんな瞬間を何度も目撃した。今回このイベントのトリを務めたのは結成14年目を迎えたSUPER BEAVER。彼らはすでに十分なキャリアと人気を誇るバンドだが、このサーキットイベントのラストにふさわしい最高のステージを見せてくれた。渋谷龍太(Vo)は「現場で耳にして気に入ってくれることこそが真実だから、現場に足を運んでくれたあなたを信頼してる」と、自身の現場至上主義を語ってみせた。その言葉はそのまま今回のサーキットイベントの主旨と重なる。
自分の目で見て、耳で聴いて、自分だけの価値観で判断すること――そのなんのバイアスもかからないリスナーの価値観こそが純粋にアーティストの「ネクスト」へとつながるのだから。次はJAPAN’S NEXT 渋谷JACK 2018 WINTERが、同会場で12月9日(日)に開催されることが決まっている。ぜひ、自分自身が「これだ!」と確信できる次世代アーティストを見つけるべく、現場に足を運んでみてほしい。(杉浦美恵)
