カニエ・ウェストが米TV番組「Jimmy Kimmel Live」に出演し、自身がドナルド・トランプ米大統領を支持することについて語っている。
同番組の司会であるジミー・キンメルとカニエは、2013年、「BBC Radio 1」でのカニエのインタビュー内容にキンメルが茶々を入れたことでカニエが激怒し、しばらく不仲が続いていると言われていた。
そうした経緯を経ていた上、カニエがトーク番組に出演することがそもそも珍しいことから、今回の「Jimmy Kimmel Live」出演は大きな注目を集めていた。
同番組の中で話題がトランプ大統領に及ぶと、カニエは自身の「愛」の定義について、以下のように語り始めた。
だからさ、面白いのは、俺達が生きているこの世界では、主に2つの動機付けがあって、それは愛か恐怖なんだ。
これはしょっちゅうTwitterでも言ってることだけどね。でも愛は説明できないものなんだよ。俺の従兄弟は殺人で刑務所に入ってるけど、俺は彼を愛してるわけ。彼は悪いことをしたけど、それでも愛してるわけだよ。
それで、ミュージシャンも、アフリカ系アメリカ人も、ハリウッドの誰かも、俺の周りの人達がこぞって、俺が選ぶべき候補者を俺のために選んでくれようとしたわけ。それで俺がトランプが好きだって言うたびに、そんなこと大きな声で言っちゃダメだとか、俺のキャリアが終わるとか、黒人コミュニティから追い出されるぞとか言われて。なぜなら黒人は一枚岩で、民主党支持しかありえないとかさ。
俺は入院前にそうやって自分の意見を表明してたんだけど、退院した時には自信をなくしてて、世界と対決して批判に立ち向かうだけの自信が持てなくなってたんだ。そこから立ち上がって、どうなろうが構わないと決めて、あの(Make America Great Again)帽子をかぶるまでに1年半かかったよ。
このことが自分にとってどんな意味があったかと言うと、別に俺は政治家じゃないし政策がどうとかいうことじゃなくて、つまりそれは、恐怖心を克服して、自分の思う通りに、誰に何を言われようが関係なく行動するってことなんだ。俺をいじめようったってそうはいかない。リベラルも、ニュースも、ヒップホップ・コミュニティも、誰も俺をいじめることはできない。
だって俺がもし自分らしくいることを怖がったら、俺はもはやYeじゃなくなるからさ。自分が思った通りにやるからこそYeなんだよ。でも、まあ実は俺は、自分の言動で人が腹を立てるのを、楽しんでるんだけどね(笑)
また、6月にリリースした『イェー』の収録曲“Wouldn’t Leave”の中で「奴隷制度は400年も続いていた、400年も続いていたら選択肢のように思える」との歌詞を使ったことが原因で、妻であるキム・カーダシアンと離婚の危機にまで発展したと言われていたカニエ。
ジミー・キンメルから「これまでの自分の発言を後悔したことはないのか?」と質問されると、人々は過去や後悔に縛られすぎているため、殻を破って「恐れ」を克服しなければならないと以下のようにも語った。
みんな過保護すぎるんだよ。いつも誰かが怪我しないように気を配っててさ。俺がまたテレビに出るって言った時のパブリシストの反応を想像できる?
俺がテレビに出るのは、最高だからだよ。ジミーのことも大好きだし、大統領についての対話もできる。大統領を罵倒するんじゃなくてね。ちなみに罵倒っていうのはサラ・ジェシカ・パーカーと話してる時のことで、「もう黙ってくれ」って感じだったけど。
とにかく、「TMZ」でやったインタビューで抜け落ちてたことが1つあって、俺が強調したかったのは、愛を試してみるって考え方なんだ。俺達はいつも、あまりにもヘイトを押し出してるけど、愛は本当に多くのものを癒すことができるんだよ。
自分は愛に基づいて行動しているか、プライドじゃなくて愛で動いてるのか、考えてみるんだ。プライドって言葉は、みんなよくポジティブな意味で使ってるけど、実際は七つの大罪のひとつだからね。所有権を主張しすぎる。だからプライドの代わりに愛が必要なんだ。
誰かが大統領を攻撃する時も、愛してみればいいじゃないかって思うわけ。どんなに批判されてもめげずに立ち上がる人に、愛を試してみるんだよ。アリス・ジョンソンが刑務所から出てきた時に家族とハグしたみたいに、ただ誰かをハグすればいいんだ。そうやって1人、また1人とやっていけば、この社会が入り込んでしまったヘイトという核爆弾を処理することができるかもしれない。みんなのことを家族だと思えばいいし、自分の子供にするように接すればいい。
カニエは同インタビューにて、この他にも『イェー』の収録曲である“I Thought About Killing You”の歌詞の秘話や自身の子どもたちについても語っている。
インタビューの映像はYouTubeで視聴可能だ。