これ、恋愛ドラマのヒロインによる誘い文句として、史上最強にエロ可愛い台詞だったのではないだろうか。その後、恒星のベッドの上で繰り広げられるやり取りも非常にスリリング。ふたりがラム酒の入ったショットグラスを手に会話を交わし、それを飲み干したら始まっちゃうんじゃないかと思わせたり、しかし酒がなくなったかと思ったらまた注いだり、視聴者を「まだ飲むんかい!」とハラハラさせる焦らしの演出がニクい!
そんなこちらのヒートアップをよそに「私達って今、誰のために寝てるんでしょう?」という晶の、まるで傍観者のような言葉が、ベッドの上でも『獣になれない私たち』の残念さを表していた。更に恒星が本当に「最中に」寝ちゃって残念すぎる……のか、いやいやギリギリセーフで事なきを得た、のか!?というモヤモヤな結果に。登場人物たちの、どうしようもなくダメな部分が一気にあぶりだされたような今回。でもそんなダメさの中に人間としての魅力や愛おしさが一緒に溢れ出ちゃった感じ。それを見つけちゃった視聴者としてはもう、この愛すべき人たちを最後まで見届けたいという決意にも似た感覚を抱いてしまった。そんな人たち、かなり多いんじゃないかな。(上野三樹)