朱里(黒木華)との関係を断ち切ることができない京谷と、京谷に本音を告げた晶の間には深い溝ができてしまった。しかも二人の状況を見かねた呉羽(菊地凛子)が自由奔放に正論を振りかざしながら間に入ったことで、余計にこじらせてしまう。呉羽みたいに本能のままにいつでも大胆な行動が取れる野獣タイプの女性っているけど、それができない人生を歩んできた京谷や晶のような人間との対比、というこの作品の核心部分が浮き彫りになった。
それにしてもこのドラマは毎回、終盤に恒星(松田龍平)と晶の二人きりのシーンを持ってくることが多いので、その度にドキドキしてしまう。しかし第3話まできてもなお、甘いムードなど皆無。「どいつもこいつも謝ればいいと思うな!」、日頃のストレスの全てをぶちまけるように晶が放ったこの一言は、目の前の恒星にも誰にも響くことなく夜空に虚しく消えていった。
しかも以前、行きつけのバーの周年イベントの後で、恒星が晶を誘った理由(と恒星の兄との確執)が明らかになり、この二人の関係も進展どころか、二歩も三歩も下がっちゃった感じ。職場でもプライベートでも報われなさが増していくばかりの晶を、早く誰か救ってあげてー!って思うけど、最後にタクシーの中で呉羽が京谷にキスしていたあたり、まだまだ波乱の展開は続きそう。色々大変そうだけど何があっても、別れの挨拶は「では5tapで!」って言える「行きつけのお店の客同士」という関係性っていいですね。(上野三樹)