ONE OK ROCKの新曲はサウンドそのものに強いメッセージが込もっている

ONE OK ROCKの新曲はサウンドそのものに強いメッセージが込もっている - 『Eye of the Storm』2019年2月13日発売『Eye of the Storm』2019年2月13日発売
ニューアルバム『Eye of the Storm』のリリース発表と共に、「ONE OK ROCK with Orchestra Japan Tour 2018」でも披露された新曲“Stand Out Fit In”を先行配信したONE OK ROCK。
既に配信中の“Change”でも垣間見えた新機軸がより明確に打ち出された楽曲だとライブでも感じたが、改めて彼らがニューアルバムに込めている新たな強いメッセージがサウンド全体から、自分の全感覚器のド真ん中に飛び込んでくるように伝わってきた。
それはこれからの時代を人間がどのように生きていけばいいのかに関わる、あまりにも生々しくスケールのデカいメッセージだ。

ビートからも演奏からも、いわゆるロックバンドならではの肉体的な揺らぎは一聴すると削ぎ落とされていてデジタルな手触りが基調になっている。
しかし、かなり細かく聴き込んでもデジタルとバンドサウンドの境目がどこまでもシームレスなので逆に言うとすべての音が肉体的で人間味に満ちているとも言える。
先述のオーケストラとのライブでも、同じようにオーケストラとバンドサウンドの境目がどこまでもシームレスに感じられた。
このロックバンドとして自分たちの人間性をはみ出させ(Stand Out)ながら、デジタルともオーケストラとも調和して世界になじむ(Fit In)、そのあり方に今のONE OK ROCKが到達したメッセージを感じる。
自分が生まれ持ったものを曲げることはない、精一杯自分のままはみ出していい。
でもテクノロジーが人々を繋いで美しい調和を描くなら、テクノロジーとも、その向こう側にいる自分とは違うものを持つ数えきれないくらいの他者ともなじんだ方が遥かに豊かな未来が手に入るはず。
世界の多くのトップ・アーティストの音楽も間違いなくそんな「開放された調和」に向かっているが、ONE OK ROCKの新しいロックサウンドもそこにタメを張っている。
もっと言うならONE OK ROCKは、ずっと歌詞においても世界共通の言語を駆使しながら自分たちの母国語をコアな部分に挟み込み、日本人としての出自を背負いながら国境を軽々と飛び越えるための音楽を生み出してきて、そこと今回の音楽的変化もブレてないと思う。

ある意味、最初から本能的に音楽の中に「開放された調和」を見出していて、まっすぐ迷いなく臆せず怠らずその道を突っ走り続け、こんな凄いところに立っていることを音で証明できてしまうONE OK ROCK、存在そのものが感動的で誇らしい。(古河晋)
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