BUMP OF CHICKEN、新曲“Aurora”のMVで少女が伝える「決意」の物語とは?

BUMP OF CHICKEN、新曲“Aurora”のMVで少女が伝える「決意」の物語とは? - 『Aurora』『Aurora』
BUMP OF CHICKENの最新シングル曲“Aurora”が先日配信リリースされた。TBS系 日曜劇場『グッドワイフ』の主題歌となった楽曲なので、リリースに先駆けて耳にしていたリスナーも多かったはず。様々な困難に立ち向かう女性弁護士が主人公のドラマで、その物語に寄り添った、凛とした力強さとやさしさを感じるあたたかい楽曲だった。その楽曲の全貌を、今回の配信リリースで受け取るとともに、解禁になったMVを観て、改めてこの“Aurora”が指し示すものを強く感じ取ることができた。


BUMP OF CHICKENは今年の7月に、前作『Butterflies』から約3年5ヶ月ぶりとなるアルバムをリリースすることと、ドームツアーの開催を発表したばかり。そのニュースに心躍ったファンも多いはずだが、そのニュース解禁の翌日にこの最新シングルがリリースされたということで、“Aurora”はこの先のBUMP OF CHICKENをイメージする楽曲としても重要な意味を持つものであることをうかがわせる。
こうして今、改めて歌詞を追いながら楽曲に向き合ってみると、確かにこれはバンプの新たなスタートに向けての静かな決意のように響いてくる。そして今回のMVがとても素晴らしいのだ。映像と歌とが一体となって、心の中にしまっておいた強い強い思いが、一気に溢れ出てくるような、なんとも言えない感情が湧きあがってくる。まるで一本の映画、一編の小説のように、そこで抽象的に描かれる物語に、誰もが自分の人生を重ね合わせずにはいられないだろう。

これがバンプと初タッグとは思えないほど、非常に楽曲の世界に合った、それでいてこれまでのバンプのMVにはない斬新な映像美を表現したのは、映像作家の林響太朗。
オーロラの幻想的な光が揺らぐどこかの国で、悲劇的な出来事によってこれまでの営みが終わりを迎えてしまったことをイメージさせるオープニング。生き倒れた多くの人々。その中で、ひとりの少女が静かに目を開く。立ち上がり、孤独の咆哮をあげる。その痛みの後ろに流れる藤原基央(Vo・G)の穏やかな歌声。そして世界の果てまで響いていくようなやさしいギターサウンドは、その少女の未来をそっと見つめるように寄り添う。
幸せだった季節の記憶。もうその頃に戻ることはできないことを悟り、泣き叫ぶ少女の姿。涙をぬぐうこともせず、やがて剣を手に取り歩き出す。その姿にBUMP OF CHICKENのメンバー4人の姿が重なる。ともに歩んできた仲間や家族との日々。それを胸に少女は駆け出していく。その先にどんな戦いが待っているのか、それはここでは描かれない。おそらく少女自身もわからない。けれど先へと駆け出さずにはいられない。そこが安寧の地ではないとわかっていても。
この物語は、そうした戦いの情景を表現しながら、それはそのままバンプの物語とも重なり、さらにはこれを受け取るリスナーひとりひとりの物語としても共感を呼ぶ。そして、その先へ進もうと、バンプは導くのだ。

エンディングの《あなたの言葉がいつだって あなたを探してきた》という歌詞こそ、こちら側へ投げかけるような言葉でありながら、藤原が自身へと語りかけたものであることを思わせる。《そうやって見つけてきた》 と、これまでの長い道のりを思いながらつぶやくように歌う藤原の声は、まさにその先の景色を見据える心の準備が整ったことを示す。数ヶ月後に届くであろう久しぶりのアルバム、そしてドームツアー。バンプは今、力強くその先の未来を展望している。“Aurora”という楽曲が持つ穏やかな強さが、今とてもまぶしい。(杉浦美恵)
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