名盤『ヨシュア・トゥリー』を完全再現する「ヨシュア・トゥリー・ツアー2019」の一貫として、今年12月に13年ぶりとなる来日公演を開催するU2。
『ロッキング・オン』8月号では、次号9月号と合わせた2号連続企画として、アルバム『ヨシュア・トゥリー』発表当時、1987年の貴重なバンド・インタビュー(前編)を掲載している。
アルバムについて、「アメリカに住む中産階級の白人向けにリベラルめかした曲を届けているだけで、実際に変化をもたらす力にはなっていないのではないか」と問われたバンドだが、アダムが「意味のない言いがかりだよ」などと答える中、ボノは以下のように答えた。
ボノ:答えを示すのが、アーティストの義務だとは思わないね。それに、ロックンロール・バンドが国の政治構造を変えられると信じているなら、あまりに世間知らずな話だよ。
(中略)要するに、音楽を聴いた人が直接示す反応に、俺たちは責任を持てないってことだよ。(中略)階級の枠組みについてあれこれ言うのは、中間層の連中だけだよ。とは言っても、俺はU2のファンには心から敬意を払っているよ。すばらしい人たちだし、彼らがファンでいてくれることが、ひとつの現象だと思う。生まれや育ちはさまざまだけど、他のどのロック・バンドの観客と比べても、自分が持つエネルギーを希望に変えようという意識が高いんだ。
また、『ヨシュア・トゥリー』がヒット中にも関わらず、さらに新曲をリリースするバンドの凄さについて、ラリーは以下のように語った。
ラリー:U2の凄さは、ミュージシャンの技量っていう面で、いつだって足りない部分を抱えながら悪戦苦闘しているところなんだ、特にアダムと俺なんだけどね(笑)。俺たちは、曲の構成がどうなっているのか、優れたリズム・セクションはどうあるべきなのか、何も知らない。まだ、発見している途中なんだ。そういう思いが、これからも残ってほしいと、俺は願っている。それがU2を今ある姿にしているわけだから。U2が戦いを終えたら、もう今のようなバンドではいられなくなるよ。
さらに、同インタビュー記事のほかにも、実際にU2へインタビューを行うなどバンドとの関わりも深いニューヨーク特派員、中村明美による「ヨシュア・トゥリー・ツアー」を徹底検証したロング・テキストも掲載している。
当時4人は『ヨシュア・トゥリー』に、そしてそれに伴うツアーにどんな思いを込めていたのか。12月の来日公演に向け、ぜひ『ロッキング・オン』8月号をチェックしてほしい。
U2の特集記事は現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。
ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。