アポロ11号の月面着陸50周年を記念して、1983年に発表されたアルバム『アポロ』が7月19日(金)にリイシューされるブライアン・イーノ。
『ロッキング・オン』8月号では、2016年、アルバム『ザ・シップ』発表時に行われたイーノの貴重なインタビュー記事を掲載している。
2016年に発表した『ザ・シップ』は、タイタニック号の沈没についてなど、テーマに基づいたコンセプト作品になっていた。過去にも『テイキング・タイガー・マウンテン』でもコンセプチュアルな作品をリリースしてきたが、当時を振り返ってイーノは以下のように答えた。
あの辺のアルバムを聴き返すと、僕らは必ずしもずっと同じひとりの人間ではないんだなと実感させられるよ。僕は1974年のブライアン・イーノを聴いて、「何てこった、こいつはまるで今の僕とは別人じゃないか」としか思えないんだ。今の僕と昔の僕との間の連帯意識は何とも希薄なものだよ。
また、インタビューではルー・リードとのエピソードも語っており、イーノが好きだというヴェルヴェット・アンダーグラウンドの3rdアルバム(『ヴェルヴェット・アンダーグラウンドⅢ』)について、以下のように答えている。
(中略)あれは僕に絶大な衝撃を与えた作品だし、今もそれは変わらないよ。彼らは実に多くの既成のルールを破ってきたバンドだ。
あのバンドは様々な思想の集合点を表わしていたんだよ。
当時、僕はスクラッチ・オーケストラでプレイしていたんだけど、その基底には、美術大学の学生というのはミュージシャンとして抜群だという考えがあった。何故なら、彼らは楽器の演奏の仕方は知らなくても、それぞれオリジナルな選択をする能力を備えている傾向が強かったからだ。
さらに、幾度となく仕事をともにした、故デヴィッド・ボウイとの関係性についても、以下のように語った。
僕らはウマが合っていたと思うよ。何故って二人とも、同じような実験に興味を持っていたからね。
別にそれでミュージシャンとしてより高いところに到達しようとしていたとかではないんだよ。優劣なんていう話ではないからね。大事なのはあくまで、自分が何のために音楽を作っているか、自分の意図はどこにあるのか、音楽に何を見出したいのか?ってところなんだ。
僕が思うに、デヴィッドが見出したかったのは――そして僕自身も見つけたいと思っていたのは―ー自分が決断を下すまでの悩みに対する、それまでとは違うアプローチの方法だったんじゃないかな。
ブライアン・イーノが自身のキャリアからテクノロジーの功罪についてまでを語り尽くした、読み応え十分のインタビューの全容は、『ロッキング・オン』8月号をチェックしてほしい。
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