演技の仕事は、自分でないものを演じることを通して、菅田将暉が何者であるかを人々にも伝えたし、彼自身にもそれを教えてくれた。
そして、そんな演技の仕事があってこそのたくさんの出会いは、彼を音楽を通してもっと深く自分を知ることに導いた。
彼と一緒に音楽を鳴らす人や、彼に曲を提供したり、一緒に曲を作ったり、一緒に歌ったりする人は、きっと音楽を通して自分を深く知ることを楽しめる菅田将暉に惹かれ、共鳴しているのだろう。
だからいつのまにか菅田将暉の手元には彼の等身大を捉えているのに、多くの人に知られる名曲が溢れている。菅田将暉のライブは全くスター然としていない。
素晴らしい歌声を持っているし、ステージに立つ技量も十分過ぎるくらいだが、それでいて瞬間瞬間に自分を深く知っていく喜びと驚きと痛みに溢れ、正直に揺らぎまくっている。
その揺らぎが彼のライブの気持ち良さであり、そこにまだまだ計り知れない可能性を感じずにはいられない。(古河晋)