たくさんの要素が集まって成り立っている欅坂46だけど、平手友梨奈がどこまでも平手友梨奈らしくあり続けることはこのグループにとってとてつもなく大切なことで、それがこの東京ドームのステージで、欅坂46の表現として成り立つように、このライブに関わった全ての人がありとあらゆるエネルギーと感情を注ぎ込んで闘ったことがこれでもかというくらいに伝わってくる完璧なショーだった。
特にアンコールの“不協和音”の衝撃波、そしてまさかの期待をまさかの角度で越えるWアンコールの“角を曲がる”における一挙一動一声は、あの場に立ち会ったすべての人の記憶に深く刻まれたはずだ。
独演でのエンディングだったけれど、独演だと感じなかった。
みんなが期待するような自分に絶対になれないまま一人きりで角を曲がる魂の集合体が欅坂46なのだということを、このステージに沁み込んだものを昇華させるように表現する歌。
元々は映画『響 -HIBIKI-』の主題歌として歌われた曲だが、この日の“角を曲がる”は、そんな欅坂46の歌だった。(古河晋)
“角を曲がる”で幕を下ろした欅坂46の東京ドーム最終日について
2019.09.19 22:20