2018年12月、ニルヴァーナのロゴに酷似したデザインを使用し、バンドの代理人より著作権侵害で訴えられているファッション・デザイナーのマーク・ジェイコブスだが、このたび、この裁判が新たな展開を迎えていたことがわかった。
事の発端は2018年11月、ジェイコブスが発表したニルヴァーナのスマイリー・フェイスに酷似したロゴが使用されたデザインが問題となり、バンドの代理人が「Marc Jacobs International, L.L.C.」を訴えていた。
だが、ジェイコブス側はニルヴァーナの遺産管理団体が所有している著作権は、カート・コバーンが描いた黄色のスマイリー・フェイスとTシャツの裏にプリントされたフレーズのみで、ジェイコブスのデザインは登録されているニルヴァーナのロゴの完全な複製ではないため、著作権は侵害していないと主張していた。
「The Hollywood Reporter」のニュースを報じた「Consequence of Sound」によると、カリフォルニア中央地区連邦地方裁判所が同裁判の継続を決定した後、ジェイコブス側は裁判の論点の切り口を変えてきたそうだ。
昨年の訴訟で、スマイリー・フェイスをデザインしたのが本当にカートなのかどうかを確認する審理が行われた際、バンド側から明確な答えが出なかったことについて、ジェイコブスの弁護士は「ニルヴァーナの元メンバー、デイヴ・グロールとクリス・ノヴォゼリックは誰がロゴを考案したのか知らないと証言していた」と、今回新たに訴えていたという。
この結果、ロゴを生み出したとされるカートが生存しておらず裁判で証言できないため、今度はジェイコブス側がデザインの起源が明確でないことを理由に「ニルヴァーナ側の主張は筋が通っていない」として反訴した、と報じられている。
なお、ジェイコブス側が今回反訴した理由を記載した報告書は、以下のリンクより見ることができる。
https://www.documentcloud.org/documents/6561801-MJacobs.html