――今回、まだコロナ禍は真っ最中だけど、音楽業界も抜本的になんかしら変わっていくと思います。清水さん的に、これからのプロモーター、あるいは洋楽について思っていることってあります?
「確実に何かが変わることはわかっているし、その覚悟ではいる。ただ、劇的にすべてが変わるかといえば、けしてそうではないと思う。先がわからないというのもあるけど、漠然とそういう答えを持っているんですよ。みんなやりはじめたストリーミング、無観客の配信とか、どう考えてもそれだけで音楽ファンが納得するわけもないだろうと。
じゃあ、今まで通りに、同じレギュレーションで(ライブが)できるのかっていったら、そうでもない。なんとなく思うのは、キャパシティーだったり、人数に対しての制限は、今後起こるんじゃないかなと。今まではただ単に危険であるっていう(観点で行われていた)レギュレーションが、密集度も含めたレギュレーションが出てくるんじゃないかなって考えている。プロモーターとしては、アーティストやお客さんの安全を考えたうえでのレギュレーションを新しく作っていくことは、ポジティブに考えていますね」
――あとは、人によってリスクが違うということが、こういう事態になるとわかるじゃないですか。危険度が高い人もいれば、まあ大丈夫だろうっていう人もいる。ユーザーって、今までは一律のものとして考えられていたけれど、年齢や体力の違いによって、エンターテインメントの提供の仕方を変えていくっていう発想は、もしかしたら出てくるのかなって思っています。
「うん」
――ライブ会場に行ける人/行けない人、とか。大きな会場は行けるけど、ライブハウスは行けない人とか。
「そうだねえ。フェスなんかで言ったら、これだけ広いから、ひょっとしたら(人によって)エリアを分けるとか、そういうことが出てくるかもしれない。何が起こるかわからないけど、まあプロモーターってタフだし、今後そういうことも考えながらサバイブしていく仕事だと思っているので。それは、不安でもあるけど楽しみなところもあります」
――わかりました。とにかくスーパーソニックを成功させましょう。
「不安は皆あるけど、とにかく、早くこの場所……要はフェスティバルであり、ライブ会場であり、そこに戻りたいっていう気持ちは、アーティストもそうだし、僕らスタッフもそうだし、お客さんも、同じだと思うんだよね。そこに対する希望は、ちょっと先になるけどなくしちゃいけないな。音楽ファンは誰一人として手放す気はないぞと」
――早くそこに戻るためにはどうすればいいのかっていうことを基準に考えれば、間違えることはないと思う。
「うん。今後、さらにスーパーソニックの出演者も発表できます。楽しみにしていてもらいたいです」