「究極のロック・ドラマー」に選ばれたアーティストはこちら。
スティーヴ・ガッド(スタッフなど)
共演した大物たちの名前を書くだけでこのスペースは埋まる。ポール・サイモンからクインシー・ジョーンズ、スティーヴィー・ワンダーやポール・マッカートニー等々、音楽性やスタイルの壁はこの人には関係なく、ジャズ、ロック、ソウル、フュージョン、ジャンルを問わず名うてのスタジオ・ミュージシャンとしてならしてきた。とくに近年はエリック・クラプトンのたっての願いでツアー・バンドの要として重責を果たしているが、さまざまなスタイルに対応できる柔軟性、タイトなものから叙情性を持ったドラミングなど、スタジオワークで売れっ子になっていたのも納得がいく。
そんな彼の名前が飛躍的に広がったのは、70年代後半にゴードン・エドワーズやコーネル・デュプリー、エリック・ゲイル等と共に結成したバンド、スタッフのメンバーとしてだ。ニューヨークを中心に活躍していた超腕利きスタジオ・セッション・プレイヤーたちが集まり、インストを中心に、ジャズ、ソウル、ロックなどバラエティに富んだ音楽性をのみ込んだクロスオーバー/フュージョン・サウンドは新ジャンルを作りあげたし、ガッドの音楽性そのものでもあった。
まだまだアメリカあたりでの評価が低かったスタッフの初来日公演(77年)は後楽園ホールで、そのサウンドと小屋の雰囲気があまりにも違ってて(笑)、今でもその記憶は鮮烈だ。(大鷹俊一)
ロッキング・オンが選ぶ「究極のロック・ギタリスト」特集掲載号は、現在好評発売中。ご購入は、お近くの書店または以下のリンク先より。