「どのみちロックンロールからは逃れようがないんだよ(笑)。それはもうロックンロールの洗礼を受けた者は誰しもが痛感するところでね(笑)」
先月号のヘッドラインで触れたようにジャクソン・ブラウン7年ぶりのアルバム『ダウンヒル・フロム・エヴリホェア』が順調にリリース目前に迫ったところでインタビューが実現した。
70年代のシンガー・ソングライター・ブームを牽引したレジェンドでありながら、その頃から一貫して環境問題や差別問題などに積極的に発言し、行動してきた人だ。
もちろん、例えば捕鯨問題など、その意見すべてに賛同できるわけではないが、ナイーブな言葉の奥に渦巻く文明批評的な視線、それを具現化する誠実な行動力には敬意を払ってきたし、ブレることなく曲を磨いてきたからこそ、現在の充実した活動があるわけだ。そんな人だけに、トランプ元大統領が跋扈した近年のアメリカや、遅々として進まない環境汚染など諸問題には辛い思いも膨らんでいただろう。それを丁寧に一曲ずつに埋め込んでいるのが新作だ。
曲に込めた思いは当然だが、そこに至るまでの流れをなんとか伝えたいと溢れるような言葉で話してくれた(実際は掲載の4倍以上喋ってくれている)。この真摯なメッセージは世代を超えて伝わるはずだし、今求められているのもまさにこれだ。(大鷹俊一)
ジャクソン・ブラウンのインタビューは、現在発売中の『ロッキング・オン』8月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。