『ザ・ウォール』の宣伝が、エリオット・スミスの「壁」を汚す?

  • 『ザ・ウォール』の宣伝が、エリオット・スミスの「壁」を汚す? - 『ザ・ウォール』

    『ザ・ウォール』

  • 『ザ・ウォール』の宣伝が、エリオット・スミスの「壁」を汚す? - 『フィギュア・8』

    『フィギュア・8』

  • 『ザ・ウォール』の宣伝が、エリオット・スミスの「壁」を汚す? - 『ザ・ウォール』
  • 『ザ・ウォール』の宣伝が、エリオット・スミスの「壁」を汚す? - 『フィギュア・8』

先頃、ロジャー・ウォーターズが『ザ・ウォール』の完全再現ライブ・ツアーを敢行することが伝えられたが、このツアーでは大々的なプロモーションが企画され、そのひとつがニューヨークとロスアンジェルスの市街の壁にアイゼンハワー大統領がかつて行った反戦演説の文句を貼紙やチョークの書き込みや映像などで埋めていくキャンペーン。いまひとつ狙いがピンとこない企画であったところまではまだよかったのだが、この実行部隊のLAチームがとんでもない間違いをしでかしたばっかりにちょっとした騒ぎにもなった。

というのは、ロスアンジェルスでも特にアーティストなどが多く住む一帯として有名なシルヴァーレイクにあるオーディオ店、ソルーションズの壁にも手をつけてしまったからだ。実はここ、エリオット・スミスの遺作ともなった傑作『フィギュア・8』のジャケ写が撮られた場所で、ファンにとってはひとつの聖地ともなっているところだからだ。

もちろん、その後もさまざまなストリート・アーティストらが「タギング」したことで、あの絵の上にはさまざまなグラフィティ・アートが重ねられてしまったのだが、まだきちんと名残はある。それが、あの有名なうねうね模様の上に見事にわけのわからない今回の『ザ・ウォール』用ポスターがべったりと貼られることに。

『LAウィークリー』などで報じられた後、『LAタイムズ』紙の取材を受けてロジャーもついに謝罪。「完璧な事故だったんだよ。エリオット・スミスのファンをないがしろにしたわけじゃないし、すぐに貼紙やポスターの撤去も命じてあるよ。ランダムにやっていたらこうなってしまっただけで、別になにか大切なものを隠蔽してやるっていうようなことではないんだよ」。

さらにちょっと逆ギレ気味に「そもそもちゃんと保存された状態のものでもなかったし、それを悪者ロジャー・ウォーターズが世の中から抹殺しようとしたということじゃないんだからさ」とも弁明。また、「きっとエリオット・スミスなら、この反戦メッセージに共感してくれていたとも思う」とも。ただし、エリオット・スミスの作品は聴いたことがなかったらしい。
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする