キングス・オブ・レオンは6月30日にロンドンのハイド・パークでソールド・アウトとなったライブ・イベントを敢行し、現在制作中の新作からの新曲を4曲披露した。
キングス・オブ・レオンは6万という観客動員数を誇るこのライブのヘッドライナーを飾り、サポートにはザ・ドラムスやブラック・キーズらが出演した。今回キングス・オブ・レオンが披露した新曲には“Southbound”“Immortal”“Radioactive”などといった仮題がつけられていた。
ボーカルのカレブ・フォロウィルは新曲についてこう説明した。「前回みんなと会ってから、俺たちはレコードに取り組んできたんだよね。レコード制作には俺たちも相当に心血注ぐことになるわけなんだ。で、ちょうど昨日、レコード会社の人たちにも何曲か聴いてもらったばかりなんだよ。連中にとって、その新曲をもうここで演奏すると困るのかどうかわからないけど、まあ、俺的には、どっちみち、もうやっちまおうぜっていうね」
その後、バンドはピクシーズの“ホエア・イズ・マイ・マインド?”の見事なカバーも披露したが、ファンのなかにはこれをキングス・オブ・レオンの新曲と取り違えている者も多かった。巨大な群集の姿を見渡してカレブが感極まってしまう一幕もあり、バンドはそのキャリア全体をくまなく辿るセットを駆け抜けていった。
「俺の人生の中でも最高の経験になったよ」とカレブはオーディエンスに伝えた。「みんな本当にありがとう。いつかね、俺たちが太ってハゲになった頃……あるいは薄くなった頃にね、テネシーで子供たちに俺たちがどんなすごいことを経験してきたのかってことを話す時にさ、きっと今日のこともそこには含まれるだろうね」。
キングス・オブ・レオンのセットリストは以下の通り:
'Crawl'
'Taper Jean Girl'
'My Party'
'Be Somebody'
'Immortals' (working title)
'Molly's Chambers'
'Fans'
'Milk'
'Closer'
'Mary'
'Wasted'
'4 Kicks'
'The Bucket'
'Radioactive'(working title)
'Charmer'
'Where Is My Mind?'
'Sex On Fire'
'Notion'
'On Call'
'Southbound' (working title)
'Trani'
'Knocked Up'
'Manhattan'
'Use Somebody'
'Black Thumbnail'
さて、この日、キングス・オブ・レオンの出番の前にはブラック・キーズが登場していたが、日が暮れてハイド・パークがちょうど宵闇に浸り始める頃合に1時間ほどの内容のライブをこなした。
新作『ブラザーズ』からの楽曲を軸にしたセットとなり、ダン・アウエルバックとパトリック・カーニーの2人は今回フル・バンドを率いて登場し、全員がスーツを着ているという出で立ちだった。ダンは特に機嫌がよく、オーディエンスのリアクションのよさについて何度も触れていた。最後にダンはキングス・オブ・レオンに次のように敬意を表した。「今日はこんなすごいところでやらせてもらえてありがとう。キングス・オブ・レオンには今日の演奏の機会を作ってもらって、感謝します」。
その前に登場したザ・ドラムスも相当に客を呼び込むことになり、オーディエンス受けも非常にいい内容のショーとなったが、ライブ前にボーカルのジョナサン・ピアースはNMEにこの日の顔触れのなかでは自分たちだけが浮きまくっているんじゃないかと語ったりもしていた。
しかし、実際のライブではバンドはファーストの楽曲を力強く演奏し、ジョナサンも曲と曲の合間にはオーディエンスの温かい反応に時間をとって応えていた。
この前の時間にはザ・ホイッグスとザ・フィーチャーズという、キングス・オブ・レオンのツアー仲間のバンドが出演した。好天に恵まれたため、ステージ周辺の人の入りもよく、どちらのバンドのライブもいい内容のものになっていた。ウィー・アー・サイエンティスツの前座としてイギリスを最近ツアーしていたザ・ホイッグスは、「俺たちのうちの誰も、キングス・オブ・レオンがいなかったら、こんなところには立てていなかったよ」と友人であるキングス・オブ・レオンを称えていた。
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