ポスト・パンクからガレージ・ロック、はては作家活動までこなすベテランのニック・ケイヴだが、自身が書いた小説『The Death of Bunny Munro』がミニ・シリーズとしてテレビ放映されることが決まった。
ダンディー・リテレチャー・フェスティヴァルでニックはエンパイア誌にテレビ化について語ったそうだが、なんでもニックはもともとこの話を脚本として書いていたのが、まったく話が進まなかったため、小説として書き直したものだったという。
ブラックなユーモアがちりばめられたこの話は、セックス中毒の化粧品セールスマンのバニーが主人公で、妻が自殺してからのバニーの生き様を追ったものになっている。
ニックによると強面俳優のレイ・ウィンストンがこの役をやりたがっていてしようがないらしく、監督にはやはりニックが脚本を手掛けた05年の映画『プロポジション‐血の誓約‐』を演出したジョン・ヒルコートとまたタッグを組むことになる。
「実はジョンには最初の脚本の段階でこの話は渡していて、その時点で今度の作品もすごく気に入ってくれてたんだよ」とニックは説明する。「ものすごく乗り気になってたし、だから、それからなんにも動かなくなっちゃった時には相当腹を立ててたからね」。
また、レイも『プロポジション‐血の誓約‐』で、スタンリー隊長役として出演していただけに、ニックはバニーには適役だと自信を持っているという。
「レイはスタンリー隊長で自分の力をいかんなく発揮したからね。レイがなんかを口にするとみんなの関心を集めるところがあって、そういう人を惹きつけるオーラはすごいものだと思うよ。ものすごくおかしな様子でありつつ、それと同時にすごく繊細な痛々しさも伝えるっていうそういう才能のせいなんだと思うな」
ジョン・ヒルコートは今回の作品についてこう語っている。「ぼくたちとしてはこの作品でBBCやチャンネル4とか、今のイギリスのテレビの目を覚まさせたいと思うんだよ。『HBOを観ろよ! あんたらなにをやってんだ!』ってね」。
ニックはまた、長編映画の企画も同時に進めているという。
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