それぞれに違った音源を収録したCD4枚を同時に再生させることで初めて作品として完成するという、どこまでも実験的だったザ・フレーミング・リップスの1997年の傑作『Zaireeeka』だが、当時はCDプレーヤーを4台揃えることと4台を同時に鳴らすことの難しさも大きな障害となっていた。しかし、先頃リップスのウェイン・コインとスティーヴン・ドローズはiPhoneやiPodを使えばそれがいとも簡単なものとなり、もはやかなりカジュアルな試みとなったことを動画でデモンストレーションしていたが、リップスはついにYouTubeを利用した多重再生作品まで発表している。
作品は“Two Blobs Fucking”というもので、なんと12パートに分かれているが、仲間を集ってこれをそれぞれYouTubeで拾ってきて同時に再生すればいいというもの。今回もウェインとスティーヴンがデモンストレーションを行って、えんえんと「カウントが命だ」と語っている。ちなみに2人は「1、2、3、4」とカウントを取って「5」で始めるのがよいとしているが、肝心のカウントのテンポで意見の相違が生じている。
また、操作ボタンを画面に出し、いったん巻き戻してセッティングしてから、みんなで押すこととウェインは繰り返し強調している。
聴き方は今回のデモ映像をまずはYouTubeで観て、すると“Two Blobs Fucking”のリンクも欄外に出てくるのでそちらから各パートと集めていけばいいという寸法だ。今回もデモ映像は、反響を考えてのことなのか、バスタブの中にカメラを設置して行われている。
“Two Blobs Fucking”の聴き方デモ動画はこちらから(→http://www.youtube.com/flaminglipsfree)
『Zaireeeka』のデモ動画はこちらから(→
http://www.youtube.com/watch?v=e-udscZ4HK8&feature=player_embedded#!)