バンドを代表する1989年の傑作『ドリトル』の完全ライブ世界ツアーを2009年から開始し、今もアメリカをツアーしているピクシーズだが、この先、同じような企画でどのアルバムをネタにすればいいのかということでバンド内で意見が分かれているとか。
ビルボード誌が伝えるところによると、バンド内では「次どうすんの?」とメンバーの間でもよくわからない状態だとドラムのデイヴィッド・ラヴァリングは語っているという。ただ、デイヴィッドが語るところでは「まだ今のツアーさえ終わってない状態だけど、よく『サーファー・ローザ』をやろうかという話にはなるんだよね」とのこと。
「『サーファー・ローザ』はピクシーズの作品として2番目の傑作だとぼくは思うし、個人的にはこっちの方が好きなんだよね」とデイヴィッドは説明しているのだが、ギターのジョーイ・サンチャゴによれば、必ずしも意見はそのようにまとまっているわけではないらしい。
ジョーイの話では『サーファー・ローザ』の完全ライブ・ツアーについてはまったく話を聞かされていないし、それよりもむしろ、次回の完全ライブ・ツアーのネタは「『メインストリームのならず者』かもしれないよ」と冗談さえ飛ばしている。ジョーイの話では次回のアルバム完全ライブについては「まだ全然話し合われてない問題だし、昔みたいにいろんな曲で構成された古臭いライブの形に戻るかも」ということだ。
いずれにしても、シングルB面曲も含めたアルバムの完全ライブを行うという今回のツアーは2009年の秋にヨーロッパで始まって、ようやく今年の春の北アメリカ・ツアーで終幕する予定で、今のところ5月3日のバンクーバーのライブが楽日となる。またバンドとしては2004年2月からツアー・バンドとしてのみ活動を続けているが、新作の話もないわけではないとジョーイもデイヴィッドも語っているそう。
実現したら1991年の『トゥロンプ・ル・モンド』以来の作品となるが、その実現性についてジョーイは「火花がぱって着火するのを待ってるんだよ」と説明している。「『これか!』っていう瞬間をみんなで待ってるんだよね。俺はもうそこまでいってるんだけど、あとはタイミングとか、すべての条件が揃うかどうかなんだよ」。
ただ、なかなか実現しないのにはピクシーズとしてのこれまでの業績がプレッシャーになっているところもあるとジョーイは認めている。「そりゃ当然あるよ。でも、俺たちにどんなことがやれるのかっていうそういう先入観を持たれることはほとんどありえないと思うからね。だから、可能性はかなり開かれてると思うな」。