昨年10月にリリースした新作『Swanlights』については1度きりのパフォーマンスを行ったのみのアントニー・アンド・ザ・ジョンソンズだが、3月1日にカリフォルニア州ロング・ビーチでやはり1度きりの特別パフォーマンスを行うことが明らかになった。
ほかにライブをやる気配はどうやらなさそうだが、その一方でボーカルのアントニー・ヘガティはライブからは離れたパフォーマンス・プロジェクトに取りかかっている模様だ。
その1つがパフォーマンス・アーティストのマリーナ・アブラモヴィッチを主役に据えた『The Life and Death of Marina Abramovic』という作品で、こちらはマンチェスターのロウリー劇場で7月の上演に向けて現在準備が進んでいるとか。内容はアブラモヴィッチの数奇な人生と生き様を描く演劇的な伝記で、その主役を本人が演じることになる。アントニーは楽曲提供と歌のパフォーマンスで関わっていて、ほかには俳優のウィリアム・デフォーも出演する。
「この劇場は本当に素晴らしい演目を誇っていて、とても野心的なんだよね」とアントニーはスピナーに説明している。「マリーナは世界でもトップ・クラスのパフォーマンス・アーティストだし、監督のロバート・ウィルソンも傑出した演出家だからね。作品はマリーナの伝記になっててすごくおもしろくなると思うよ。ぼくは音楽を書いてくれないかと言われてて、それと同時に2曲ほどパフォーマンスもやらせてもらうことになったんだ」。
肝腎のツアーについてアントニーは当分やるつもりはないとアントニーは語っている。「今は自宅で静かに絵を描いたりするのに費やしているから。この先、ツアーはもうしないということじゃないんだけど、現時点ではツアーについて考えなきゃならないことを避けたいんだよ」。
特にメディアの「今観なきゃだめ」「今やらなきゃだめ」的な煽りや攻勢に呑み込まれずにインスピレーションを保つことが重要なのだと説明する。「メディアが自分に対して持ちうるインパクトを許容範囲内に収めておくのは本当に大変なことなんだよ。でも、その一方で、ぼくたちはみんな社会的な生き物であって、それぞれにお互いのことを知りたがっているわけでもあるからね」。
一方、曲は前作の『クライング・ライト』からのものになってしまうが、ビョークの“ヒドゥン・プレイス”のビデオを手がけたオランダのヴィジュアル・ユニットのイネス・アンド・ヴィヌードが“エヴァグレイド”の映像作品をルイ・ヴィトン系の高画質動画サイトNowness.comで発表している。出演はイネス・アンド・ヴィヌードが90年代から重用してきたケイト・モスだ。
イネス・アンド・ヴィヌードによる“エヴァグレイド”の映像の動画はこちらから(→http://www.nowness.com/day/2011/1/6/1244/spying-on-kate-moss)