プロデューサーのジェイク・フィオールはこれまで未発表のままだったピート・ドハーティの音源に取り組んでいるが、この音源のなかには映像作家のロビン・ホワイトヘッドもバック・ボーカルとして参加しているという。
ロビン・ホワイトヘッドは財閥のゴールドスミス家の令嬢で美貌の映像作家として知られていたが、ピートのドキュメンタリー作品を製作していた2010年1月にロンドンで死亡しているところを発見され、死因はコカインの過剰服用ではないかとされている。
その後、ホワイトヘッドの死をめぐる捜査の途上でピートはコカインの不法所持容疑で逮捕され、現在6ヶ月の禁固刑に服している。
フィオールは音源について、もともとはピートの2009年のソロ『グレイス・ウェイストランズ』用に制作していたものだったとオヴザーヴァー紙に語っていて、その後、摑み合いの喧嘩から袂を分かったと説明している。
「ピートは自分のバンドを使いたがっていて、ぼくはぼくが用意していたミュージシャンたちを起用したがったんだよ」とフィオールは語っている。「その後、スタジオである出来事があって、それですべて終わりになったね。2008年の夏以来、ぼくはピートと一言も交わしていないし、もうなんの関心もないよ」。
ただ、ピートの音源のうちでも初期のより力強いバージョンはすべてホワイトヘッドがドキュメンタリー作品『Road to Albion』で使うようにホワイトヘッドに託していたとフィオールは語っている。フィオールは自分の手元に残っている音源についてはたとえリリースされなくてもいずれ完成させると語っていて「もともとお金のためにやってたことじゃないから、そういうことは別にどうだっていいんだよ」と説明している。
フィオールはかつて自身がマネージャーだったウルフマンことピーター・ウルフの2004年のシングル“For Lovers”のプロデュースも手がけていて、このシングルでコラボレーションをしたピートにとっても初のトップ10シングルとなった。
ロビン・ホワイトヘッドの死以来、「“For Lovers”を使わせてほしいという依頼を山ほど受けてきてすべて断ってきた」というフィオールだが、「ロビンの父親からの依頼があった場合には無料で提供したいと思うよ」という。ロビンの父ピーター・ホワイトヘッドは60年代にローリング・ストーンズやピンク・フロイドの映像クリップを製作したことで知られる映像作家だ。
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