カニエ・ウェストのグッド・ミュージック・レーベルのオフィシャル・ブログで6月14日にアップされた新トラック“Mama’s Boyfriend”（その後、ネットでは“Mama’s Boy”と取り沙汰された）は実はニセのトラックであったことがカニエ側から明らかにされたという。現時点でトラックはサイトから削除され、今回のアップロードを行った人物を法的に訴えるとカニエ側はビルボード誌に明らかにしている。

ビルボード誌に対して発表された声明文によると、誰かしらがカニエのボーカル・トラックを入手し、自身のサウンドにそのボーカル・トラックを重ね、最新作『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』のセッションからの音源だと偽ったものだという。声明によれば、今回の「音源を洩らした人物らについては、その身元を特定し、訴追する手段が取られている」としている。

「今週さまざまなブログに現れたバージョンのカニエ・ウェストの“Mama’s Boy”のレコーディングはまったくのにせもので、本人に承認されていないものであるし、カニエ・ウェストの創造的な意図を侵害するものです。頻繁に起きている残念なケースのひとつで、なにものか、あるいはなにものらかがカニエ・ウェストのボーカル・トラックを手に入れ、それに自身のサウンドを加え、そしてこれを『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』のセッションのからの音源だと偽ってリリースするのに成功したものです。この音源はカニエ・ウェストが自分のファンに聴かせたがっていたこの曲の最終的な形とは似ても似つかないもので、これまで書いたものでは最も個人的で意味のある特別な作品のひとつがこのような形で人々に届いてしまったことにカニエ・ウェストは深く失望しています。言うまでもなく、この音源を洩らした人物らについては、その身元を特定し、訴追する手段が取られています」