レディオヘッドが2夜連続トリ、初開催オール・ポインツ・ウエストをレポート<前編>

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なかなかその様子を知ることができない、海外のフェスティバルのレポートということで先日の掲載以降絶賛アクセスをいただいているUS直送ロラパルーザ・フェス・レポートに続く、US直送フェス・レポ第2弾が登場!

今回US直送レポートをお届けするのは、コーチェラ・フェスティバルの東海岸版フェスとして今年初開催されたオール・ポインツ・ウェスト(ALL POINTS WEST)。NYコレポン中村明美によるレポートを<前編><後編>に分けてお届けします。8月8日から10日まで3日間にわたってNYで開催された同フェスでヘッドライナーを務めたのはレディオヘッドとジャック・ジョンソン。ラインナップ発表時、レディオヘッド2日間連続でヘッドライナーを務める異例のフェスとしても話題を呼びました(詳細は2月22日付のニュースをご覧ください)。

前編では、フェスティバルの詳細とレディオヘッドのライブの模様を2夜分のセットリストも併せてたっぷりとお伝えします。後編は明日8月16日(土)更新予定です。それではどうぞ楽しみください!

『レディオヘッド、ジャック・ジョンソンがヘッドライナーで初開催フェス』<前編>
ALL POINTS WEST, LIBERTY STATE PARK, NJ/ Aug 8−10, 2008
レポート/中村明美

「ボートで会おう!」とトム・ヨークは8月8日、ステージを去る前に言ったが、マンハッタンからフェリーに乗って15分。それだけでなんだか日常から切り離されたような、到着すれば自由の女神も、マンハッタンのゴージャスなスカイラインも眺められる。「こんな美しい背景で音楽を聴ける場所はどこにもない」と主催者も自慢の、アメリカ西海岸で行われているコーチェラ・フェスの東海岸版新フェス、オール・ポインツ・ウエストが8月8〜10日、NJリバティ・ステイト・パークにとうとう上陸!

全体的には、今年初めてのフェスとは思えないオーガナイズの良さと、振り返ってみれば、1週間前に行われたシカゴのロラパルーザがスポーツ・バーと動物園を足したくらいのカオスだったように思える程、まるで飼いなされた羊達のようなニューヨークとニュージャージーの観客のマナーの良さのおかげで非常に快適なフェスだった。多少雨にも降られたが、日差しはありつつ風が涼しく吹き抜け、夜になると肌寒い。天気もこれ以上望めないくらい。

ただし、フェスの3日券は約300ドルと金額はさすがのNYだし、さらにラインアップがその他のフェスに比べて圧倒的に弱いことが最大の欠点と言われている。3日で約50アクト(※ロラパルーザは1日50アクト)出演で、初日、2日目のヘッドライナーはレディオヘッド、3日目はジャック・ジョンソン。ヘッドライナー以外のアクトはレディへの『おまけ』とすら書かれていた。しかも、アニマル・コレクティヴ、グリズリー・ベア、キャット・パワー、ヴァージンズ、シークレット・マシーンズって、やたらNYバンドも多い……なんて言うのはNY在住の贅沢かもだが。キャパは3万人だったそうだが、売り切れたのは土曜日のみ。公式発表はされていないが、ざっと見て初日は2万人。最終日はたぶん1万人くらい。

【レディオヘッド】
多少の不満がありながらも行った観客にとっては恐らくこのフェスは“成功”として記憶されるだろうその最大の理由は、やはりレディオヘッドの圧倒的なライブだ。

実は彼らはこの同じ会場で2001年8月、2万人×3日の単独ライブを行っている。その時の現実から切り離されたようなあまりにシュールな体験は私を含む多くの観客にはいまだに記憶に鮮烈に残り、しかもその時眺めたマンハッタンにはその1ヶ月後に消えたワールド・トレード・センターが真っ正面にそびえ立っていた、という悲しい現実もそれを特別なものにしているはずだ。それと並ぶこのライブ。2日間のセットは、大きく違っていた。

両日とも新譜『イン・レインボウズ』の曲は全曲演奏するという構成でありながらも、それ以外の曲は“Idioteque”、“Pyramid Song”、“Everything In Its Right Place”などもちろん重なっている数曲あるがそれ以外はすべて違う曲が選ばれるというセットリスト。

しかも、初日は“15 Step”で幕開け、2日目は“Reckoner”で幕開け。そう言えば、初日トムは真っ白なパンツを履いていて、2日目は真っ赤なパンツを履いていた、というくらいまったく雰囲気が違うのだ。新譜で言えば、ライブでも圧巻だった“Videotape”や“Reckoner”のような曲がどこに置かれるのかでライブの表情が大きく変わると思うのだけど、新譜からの曲にも特にフォーマットがあるわけでないのだ。コンプチュアルにある一点に向ってひとつひとつ緊迫感とカタルシスを積み重ねていくというようなライブではなく、むしろその逆を狙ってサイコロを降ってその中から適当に選んだとすら言えるくらい、少なくともそう聴こえるような1曲1曲で完結し、ざっくりとした、そしてだからこそ、これまでのレディオヘッドのライブとはまったく違うたくましいとすら言えるようなパワフルなライブとなっていた。

それに加えてセットが圧巻。これは両日ともジレンマになったくらい。もちろんライブは前で観たいのだが、ライティングとその後ろに映し出される映像があまりに美しい。しかもこれだけセットリストをめまぐるしく変えているにもかかわらず、曲によってそのセットが繊細に表情を変える。例えば、“Weird Fishes”ではブルーになった照明の真ん中あたりに蛍のようなほのかな光が浮かんで見えたり、“Reckoner”ではロマンチックとも言えるほんわかしたピンクで照らされたり、かと思えば、“Idioteque”では赤、青、シルバーがバキバキと会場を照らす。それに合わせてメンバーの顔が映されたり、しかしそれが微妙にサンプリングされていたりとスクリーンも違うのだ。だから、それを観たかったら真正面にいかなくてはダメで、そうすると後ろになってしまうので……。結局は前と後ろを行ったり来たりする羽目に。このセットをデザインしたのは一体誰なんだろうか? そして、ここ数年の照明技術の発達は本当に感動的だ。

そして、たった2公演だけ観て生意気だが、もし来日公演に向けて忠告があるとすると、セットリストが違うのでできる限り何度も観に行くこと。そして、できるだけ真正面の席にすること。助言になってないかも……?

トムは初日、彼らの前に出演したアンダーワールドに、2日目はキングス・オブ・レオンに「彼らくらいハンサムだったら僕も今ごろ有名になっていたのに」という軽いギャグをかまして“JUST”を捧げた。8月8日はオリンピックの開催日でもあった。ピアノにはチベットの旗が掲げられていた。“Sweet Dreams! See You Soon!”とトムはステージを去った。

<Aug 8>
1. 15 Step
2. There There
3. Morning Bell
4. All I Need
5. Lucky
6. Nude
7. Arpeggi
8. The Gloaming
9. Optimistic
10. Videotape
11. Reckoner
12. Jigsaw Falling Into Place
13. You And Whose Army
14. Idioteque
15. Climbing Up The Walls
16. Bodysnatchers
17. How to Disappear Completely
Encore 1
18. House of Cards
19. Pyramid Song
20. Paranoid Android
21. Dollars & Cents
22. Street Spirit
Encore 2
23. Cymbal Rush
24. Just
25. Everything In Its Right Place


<Aug 9>
1. Reckoner
2. 15 Step
3. National Anthem
4. Kid A
5. All I Need
6. Nude
7. Weird Fishes/Arpeggi
8. Where I End and You Begin
9. The Gloaming
10. Faust Arp
11. No Surprises
12. The Bends
13. Jigsaw Falling Into Place
14. Bangers and Mash
15. Everything In Its Right Place
16. Exit Music (for a film)
17. Bodysnatchers
Encore 1
18. Pyramid Song
19. Videotape
20. Airbag
21. Fake Plastic Trees
22. There There
Encore 2
23. House of Cards
24. Planet Telex
25. Idioteque

明日更新の<後編>もお楽しみに。

またRO69では、読者の皆さんによる各地のレポートを絶賛公開中。『私の夏フェス参戦レポート』コーナーも是非ご覧ください。
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