ニルヴァーナらを生んだシアトル・シーンの先駆的存在であるマッドハニーのボーカル、マーク・アームは、グランジ・ロックの遺産はニルヴァーナのカート・コバーンが死んでいなかったら、これほど持ち上げられるものにはならなかっただろうと語っている。
どちらのバンドをも輩出したシアトル・シーンを振り返ってマークは「俺には(1993年に)『イン・ユーテロ』がリリースされた時にはもうあんまり盛り上がってないように思えたんだよね。カートが死ぬまではさ」とローリング・ストーン誌に説明している。
さらにマッドハニーがグランジの先駆的なバンドとして道を切り開いたという広く支持されている見方についてもマークは否定した。もともとマークこそがこのシーンを「グランジ」と命名した人物であると信じてやまない人もいるくらいなのだが、マークはこう語った。
「俺たちは別に画期的なことなんてなにもしてはいないよ。これまでなかったものを俺たちが発明したとか、そんなことは少しもないんだから」
ただ、マークはシアトル・シーンの中軸となっていたサブ・ポップ・レコードについては「俺たちの前には俺たちみたいなイケてない連中がロックをやるなんて許されてなかったんだよ。『ルーザー』っていうアイディアやコンセプトを打ち出したのはサブ・ポップが初めてだったんだよね」と誉めそやしている。
カートもニルヴァーナのサウンドのインスピレーションになったものとしてマッドハニーを挙げているようにマッドハニーは数知れないほどのグランジ・シーンのバンドに影響を与えたが、『ネヴァーマインド』で世界的に注目されていくことになったのはニルヴァーナだった。
その『ネヴァーマインド』は9月24日にリリース20周年を迎えるが、10月5日にはリマスタリング音源を軸に、<スーパー・デラックス・エディション>など各種再発盤がリリースされる。
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