9月10日にワイト島で行われたベスティヴァルでヘッドライナーを務めたザ・キュアーだが、ロバート・スミスはベスティヴァルからの出演オファーを受ける前にはライブ活動からの引退も考えていたという。
ザ・キュアーが2008年の『4:13ドリーム』のツアーを終えた後、ロバートはバンド活動が惰性的なものになるやもしれないと危惧して、自ら表舞台から姿を消していたとザ・ガーディアン紙に語っている。ツアー終了後、ロバートが行った唯一のパフォーマンスはクリスタル・キャッスルズとジャパニーズ・ポップスターズのライブへの客演のみだった。
「なんとなく曖昧な領域に滑り込んでしまいそうな気がして、なんか惰性ですべてが動いていっちゃうんじゃないかってそれが嫌だったんだよね。ぼくは生まれてこの方、自分の楽しみとしてしか音楽に関わってきていないのに、なんかそうやってやってきたものが大きなマシーンやビジネスに成り果てるやもしれないという思いにぞっとしてしまってね」
また、ロバートは自分の音楽で政治性を打ち出すことに大きな違和感があると次のように語っている。
「そういうのをやってる連中で頭の良さが追いついているアーティストって少ないよね。政治的な方面がよくわかってうまくやれると、今度は音楽面がついてこないし。逆もまた然りだね。キャラクターとして、また世間的にまかり通ってるペルソナとしてぼくはそういう存在として受け取られていないからね。ぼくにはそういうことをやる雰囲気も、ルックスもしっかり備わっていないと思うよ」
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