9月4日を最後に今年の再結成ツアーの全行程を終えたパルプだが、ボーカルのジャーヴィス・コッカーは、文芸出版で有名な出版社フェイバー・アンド・フェイバーで編集職に就くことが明らかになった。
T・S・エリオットやカズオ・イシグロらを世に送り出したことで有名なフェイバー・アンド・フェイバーは、文芸以外にも音楽、映画、舞台芸術方面での出版も数多く行っていて、ジャーヴィスは2012年1月から出版の企画と執筆依頼を2年間にわたって担当することになるという。また、ジャーヴィスは来週、フェイバー・アンド・フェイバーから自身の解説付き歌詞集『Mother, Brother, Lover』を刊行することにもなっている。ジャーヴィスは今回の編集職就任の抱負についてこう語っている。
「フェイバーから編集担当としての仕事を依頼されたことを誇りに思うし、少なからずやる気になってるよ。フェイバーと一緒に素晴らしい刊行物が作れたら本当に嬉しいね」
ジャーヴィスはフェイバー・アンド・フェイバーの編集のリー・ブラックストーンとハンナ・グリフィスと組んで出版を担当することになるが、ブラックストーンは今回のジャーヴィスの起用についてこう語っている。「ジャーヴィスは著者としても編集者としても、フェイバーの感性やセンスに合っていると思えますし、これから一緒に手がけていくことになる刊行物はきっとジャーヴィスのエキセントリックでありながら大衆的な魅力をかもすタッチを体現するものになると思いますよ」。
さらにブラックストーンはこう続けている。
「フェイバーではポップ・ミュージック出身の著者に関しても言うことない顔ぶれが揃っていますし、そうした方々の人脈を広げていくことで、音楽を題材とした刺激的でオリジナルな著作物を刊行しているという定評をこれからも固めていきたいと思っています」
フェイバー・アンド・フェイバーでは、今後もボニー・プリンス・ビリーやジュリアン・テンプル、ザ・ポーグスのジェイムス・ファーンリーらの著作物刊行を予定している。また、フェイバー・アンド・フェイバーでは1980年代にもザ・フーのピート・タウンゼントにジャーヴィスと同様の編集職を託したことがある。
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