ジェイ・Zのファッション・ブランドのロッカウェア、ウォール街占拠運動に便乗?

2009年作『ザ・ブループリント3』

ジェイ・Zの経営するファッション・ライン、ロッカウェアが「Occupy Wall Street」(ウォール街を占拠しよう)の文句をもじったTシャツを発売しているが、実際のウォール街占拠運動にはこの服の収益からまったく寄付もなにも行っていないため、占拠運動の運営者側から批判を呼んでいる。

今では世界的な運動となり始めている占拠運動だが、ロッカウェアが運動のキャッチフレーズを巧妙に借用していることに触れて運動側はジェイ・Zを「吸血虫」と呼んでいる。問題のTシャツでは「Occupy Wall Street」のWを斜線で消し、さらに「Street」にsを書き加えることで、「Occupy all Streets」(すべてのストリートを占拠せよ)というフレーズに書き変えているが、ロッカウェアはこのTシャツからの売上の一部を運動に回すことはないことを次のようにビジネス関連ウェブサイトのビジネスインサイダーで明らかにしている。

「『Occupy all Streets』Tシャツはウォール街占拠運動を支持するものとして考案されたものです。ロッカウェアでは、アート、政治、社会とジャンルの種類に関係なく、建設的な表現を強く奨励しています。『Occupy all Streets』とはさまざまな場所で変化を起こす必要があることを人々に促すもので、なにもウォール街に限られたものではないことを指摘しているものです。現時点でロッカウェアではウォール街占拠運動を金銭的に支持することを公式に約束はしていません」

これに対してウォール街占拠運動の代表人であるパトリック・ブルーナーはTシャツについて訊かれて次のように答えている。

「こうした共同作業への吸血虫のような存在がおのずから生まれるものです。それにぼくたちのベース・キャンプにもシルク・スクリーン工房がありますし、今回の運動に実際に寄与してくれているTシャツはほかにたくさんあります。問題のTシャツについての質問にお答えしますと、ウォール街占拠運動への支持を本気で考えるのなら、この歴史的な機会に実際に立ち会って参加してみて、新しくよりよい未来を作っていくのに助力することをお勧めします」

ジェイ・Zは実際にこのTシャツを着用しているところを目撃されているが、今回のやりとりについてのコメントはなにも発表されていない。


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