オッド・フューチャー(OFWGKTA)のフランク・オーシャンが去年ミックス・テープに収録したトラックで、無断でジ・イーグルスの“ホテル・カリフォルニア”をネタにしていた問題で、イーグルスのドン・ヘンリーの代理人はフランクのトラック“American Wedding”は違法なコピーだと主張している。
先頃、フランクは自身のミックス・テープ『Nostalgia, Ultra』に収録されたこのトラックにドン・ヘンリーが「気分を害しているよう」で、今後公で演奏した場合訴えると訴訟もちらつかせているとブログで明らかにしていたが、これに対してドン・ヘンリー側の代理人ラリー・ソルターズが声明を発表。そのなかでソルターズは“American Wedding”はサンプリングであるどころか、ただの音源のコピーであり、イーグルスとしてはこれまで訴えることは考えていなかったが将来的にはその可能性もあると明らかにしている。
ソルターズは声明のなかで「フランク・オーシャンはイーグルスの“ホテル・カリフォルニア”の一部をサンプリングしただけではなく、曲全体のマスター・トラックを使い、曲のメロディも援用し、自分の歌詞を置き変えているだけで、これは『気分を害するような』ものであるどころか、まったくクリエイティヴでもない」と主張し、さらにこう続けている。
「これは違法です。また、はっきりさせておくために申しあげておきますと、ドン・ヘンリーはフランク・オーシャンに対していかなる法的措置もちらつかせたり、訴えてもいませんが、イーグルスは現時点で法に訴えるべきかどうか検討しているところです」
先月発表されたBBCの最注目新人リストである、サウンド・オブ2012では2位につけたフランクだが、現在ソロ・アルバムの制作を進めていて、さらにオッド・フューチャーとしての新作『ザ・オッド・フューチャー・テープ Vol.2』にも参加している。
なお、『ザ・オッド・フューチャー・テープ Vol.2』でのほかの参加メンバーはタイラー・ザ・クリエイター、メロウハイプ(ホッジー・ビーツ+レフト・ブレイン)、ジ・インターネット(シド・ザ・キッド+マット・マーシャンズ)、ドモ・ジェネシス、タコ、ジャスパー・ドルフィンと、完全にユニット・メンバーに限られていて、外部のアーティストの参加は一切ない模様だ。また、サモアで目撃情報のあり、今年に入ってアメリカに帰国したというアール・スウットシャーツも参加していない。
さらにかねてから噂されていた新作でのカニエ・ウェストとのコラボレーションも明らかになっていて、バンドのブログでもホテルのスイート・ルームを貸し切ってカニエとのコレボレーションを進めるタイラーらの姿がアップされている。なお、オッド・フューチャーは3月末から4月にかけてイギリスとアイルランドのツアーに乗り出す。
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