ポール・サイモン、アート・ガーファンクルとの再結成はしたくないと語る

ポール・サイモン、アート・ガーファンクルとの再結成はしたくないと語る - ポール・サイモン 1987年作品『グレイスランド』ポール・サイモン 1987年作品『グレイスランド』

7月4日に『グレイスランド』の25周年記念盤がリリースされるポール・サイモンだが、かつてのサイモン・アンド・ガーファンクルのパートナーだったアート・ガーファンクルとレコーディングする可能性はないと語っている。

二人は1970年の『明日に架ける橋』リリース後に解散し、その後再結成ライヴやツアーなどは行ってきたものの、解散後に試みた二人でのレコーディングはシングル“マイ・リトル・タウン”だけで、それ以外はライヴ音源のみに限られてきた。BBCラジオの番組『トゥナイト』に出演したサイモンはさらに、アートの声帯の調子がすぐれないので再結成は難しいのではないかと説明していて、「どっちかというと過去に遡って戻るようなことはしたくない」とも語っている。

二人は2009年のロックンロール名誉の殿堂設立25周年記念でライヴを開催していて、それが最後の再結成となっている。その翌年にもツアーが組まれていたが、アートの喉の様子が思わしくなくなり無期延期扱いになった。

なお、今年はポールのソロの代表作の一つともいえる傑作『グレイスランド』の25周年にもあたるが、実はこの作品は当時白人による人種差別政策がまかり通っていた南アフリカへの世界的な文化的ボイコットを破って、ポールが南アフリカで現地のミュージシャンらとレコーディングを行ったことで問題にもなった。

アルバムは結果的に大ヒットとなり、無名のローカル・ミュージシャンを世界的な舞台に紹介したという意味でも今では高い評価を得ているが、南アフリカの人種差別政策撤廃を叫んできたアフリカ民族会議(ANC)からはポールがアパルトヘイト(人種差別政策)を是とする政権を支持しているのではないかと非難されることにもなった。こうした当時の論争もアルバムの25周年を追うドキュメンタリー映像『Under African Skies』で紹介されていて、初回生産限定盤付属のDVDに収録される。

映像が上映されたサンダンス映画祭でポールは次のように語っていた。「後悔はしていないかというと、この作品はハッピー・エンディングを迎えてるからなにも後悔はしてないよ。もっと違ったやり方は考えられなかったか? それはできたかもね。もし、あのレコーディングの時や、このアルバムのレコーディングからリリースまでの1年と4か月の間にANCの人間が誰かぼくのところに来て、『こういうことはしないでくれ』とか、『自分たちを支持するようなことをなにかやってほしい』とか言われてたら、たぶん喜んでそうしてただろうね」


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