ジョン・ライドン、PiLとザ・セックス・ピストルズについて語る
2012.06.15 21:00
いよいよ7月4日に待望の20年ぶりの新作This is PiL~伝説をぶっとばせをリリースするパブリック・イメージ・リミテッド(PiL)のジョン・ライドンだが、『ローリング・ストーン』誌とのインタヴューで新作をついに完成させた心境などをもろもろ答えている。
それによれば、まずパブリック・イメージ・リミテッドというバンド名はセックス・ピストルズの活動を通した反省点から生まれていて、音楽と作品に込められたメッセージ以外のバンド・イメージやメディア・イメージ、スキャンダル性など、ピストルズのマネージャーだったマルコム・マクラレンが好きそうなものは一切「限定」していくという意味で命名したものだったそう。
新作のレコーディングはスティーヴ・ウィンウッドのスタジオで行われたと伝えられているが、これは実際にはイギリス南西部の丘陵地帯にある納屋だったそうで、快適な環境でレコーディングができたことをジョンは振り返っていて、折に触れてスティーヴも様子を見に来ては「興味のない振りをしてた」とか。また、現在のバンドについては30年音楽をやってきて、メンバー全員と良好な関係を築けている初のケースになっているとも語っている。
ただ、1992年以来、リリースが途絶えてしまったことについては次のように語っている。「いつだって(やる気は)あったんだよ。でも、これだけ時間がかかっちゃったのは悪かったとも思ってるよ。ただね、その間、いろんなことがあったんだよ。ちょっと前に亡くなったアリアナ(元ザ・スリッツの故アリ・アップ。ジョンの妻の娘にもあたる。2010年歿)の子供たちとね、15年か20年くらい前に俺たちと一緒に暮らすことになったんだよ。それで学校の保護者との面談とか連絡とか、そういうのを全部俺が引き受けることになってね。俺はね、父親役をやれというんだったら、しっかりやるよっていうね、そういうタイプなんだよ」
なお、アリの子供たちのことは愛しているけれども、とんでもない悪ガキばかりで、自分の子供時代を思い出してばかりいたとジョンは振り返っている。
さらにピストルズ再結成については、活動当時、バンドに渦巻いていた敵意や孤立感の記憶を解消し、活動当時とは違う文脈でお互いを尊重し合う目的であえて行ったと説明しているが、再結成ツアーを長くやりすぎたため、元の木阿弥になってしまったとも説明している。
「なんか俺にはまるで動きのない疲れ果てたもののようになってきて、なんかほんとにお仕事になってきちゃったんだよ。それにセックス・ピストルズという文脈で作品を書くこともできなかったしね。昔の曲を歌うのは大好きだよ、どれもすごく強烈だし、歴史のそれなりに重要な部分がセックス・ピストルズに関連したものだからね。でも、新しい曲を書けばそれはPiLなわけで、それだけのことなんだよ」