ザ・クラッシュの新作ドキュメンタリーがニューヨークでプレミア公開

ザ・クラッシュの新作ドキュメンタリーがニューヨークでプレミア公開

ヴィデオ・クリップやテレビCMの監督として有名なダニー・ガルシアによるザ・クラッシュのドキュメンタリー映画『The Rise and Fall of the Clash』のプレミア上映がニューヨークで行われた。

今回の上映は7月5日から8までニューヨークで開催されていたCBGBフェスティヴァルの一環で、他にもザ・リプレイスメンツについての初のドキュメンタリーとなる『Color Me Obsessed』などが公開されたと『ローリング・ストーン』誌が伝えている。

元々スペインのバルセロナ出身のガルシア監督は9歳か10歳の頃にクラッシュの“スペイン戦争”を初めて聴いて虜になったと語っていて、特にスペイン語の歌詞も含まれていたため直接語りかけられているように感じだと振り返っているが、バンドの痛ましい最期についてはいつも腑に落ちなかったと今回の製作の動機を語っている。

映画はロンドンのクラブで活動を続けた70年代から、1981年にニューヨークのボンズ・インターナショナル・カジノで行った伝説のライヴ、そして82年のシェイ・スタジアム・ライヴの後のバンド崩壊期を追った内容になっているという。また、オリジナル・メンバーでは唯一、ミック・ジョーンズが証言を提供していて、その他にはヴィンス・ホワイト、ニック・シェパード、ピート・ハワードらの最終期のメンバーらが崩壊期のバンドの有様を語っているとか。

その一方でオリジナル・ベースのポール・シムノン、さらにその辣腕さが結果的にミックとジョー・ストラマーとの間の軋轢やバンド崩壊も招いたとされるマネージャーのバーニー・ローズも映画への協力を拒否したとガルシアは語っている。元々ローズはこの映画での自分の描かれ方を憂慮して訴訟を起こす構えでもあったというが、ガルシアが脚本をローズに送り届けたところ、「『これもあれも間違ってるし、そもそもこいつはとんでもない野郎なんだ』とケチつけてきたんだけど、そのあとで『とりあえず作ってみろ』って言ってくれたんだ」とガルシアは語っている。「実際、いいやつだと思ったよ。すごく頭のいい人だよ」とのことだ。

プレミア試写会にはザ・ラモーンズのマーキー・ラモーンも出席していて、次のようにクラッシュの思い出を語っている。「クラッシュとは1977年に5週間一緒にツアーしたから、いい知り合いになれたんだ。連中は本当にみんないい人でね、特にジョーは最高だったな」。

また、映画にも登場するパール・ハーバー・アンド・ジ・エクスプロージョンズのパール・ハーバーはクラッシュがパンクスからロック・スターへと駆け上っていく過程で「ある狂気が支配してしまった」と当時のクラッシュを振り返り、次のように語っている。

「パンクスは貧乏だし、いつまでもパンクスであることはありえないのよね。というのはそれは負け犬になるっていうことでもあるから」
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