ミューズのドミニク・ハワード、クリス・ウォルステンホルムに断酒を迫ったことを明かす
2012.10.01 18:30
ミューズのドラムのドミニク・ハワードはベースのクリス・ウォルステンホルムに対して度を過ぎ始めていた酒癖をやめるように最後通牒を行ったことを明らかにしている。
『ジ・オブザーヴァー』紙の取材に応えてドムはマット・ベラミーとともに、クリスの度の過ぎた酒癖がバンドの将来を危ぶませていたので強い態度に出なければならなかったことを明らかにしている。
ドムはこう語っている。「クリスはどんなにへべれけになっていたとしてもなぜかベースだけはきっちり弾けるんだよ。ステージでも飲んでたからね。そのうちぼくも何本飲んでるのか数えるようになって、どんどんクリスが出来上がってくるのが目に見えてわかるようになってね。ステージから降りる頃にはすっかり酔い潰れそうなところまできてたんだ。ちょっと異常なことになってたんだよ」
こうしたクリスのアルコール中毒状態を改善するためにも最後通告のようなことは行ったのかという問いにドムは次のように答えている。「うん、何度かね。今じゃクリスも『バンドが自分と10年も付き合ってくれたのが信じられない』と言ってくれるんだけど、本当なんだよ。ぼくもこうやってクリスに付き合ってきたこと信じられないくらいで。でも、ぼくたちはそうやってきたんだ。ぼくはいつだってバンドとしての誠実さといつまでも一緒にやっていくということを信じてきたからね」
クリスもまたミューズとして活動して間もなくして自身の酒癖を問題として抱えてきたことを認めていて、ただ、「みっともない酒乱」ではないので、バンドのメンバーやほとんどの知り合いに対してはアルコール中毒であることを隠しおおせてきたという。
しかし、痛飲を続けた時期を経て2009年のエイプリル・フールの日、「ちょっとした大失態を晒すようなことになり」、中毒と闘い、アルコールを断つように決意したという。
「それまでの10年のうちに対処しなければならなかったことがすべて一度に降りかかってきたような状態でね。いろいろ後悔することもあるんだ。ぼくがもっと楽しめたはずの瞬間ももっといろいろあったはずだと思うとちょっと腹立たしくもあるし。ぼくがはまっていたような状況では、もうあまり強い感情を感じないものなんだよ」
「いつも従属されてるような状態でね。でも、いいところは、今はぼくも楽しめてるっていうことなんだよ。この10年自分でもやってこなかった形でぼくは音楽に全霊を注いだんだ。こう言うと陳腐だけど、自分を穏やかな気持ちにさせてくれるものは音楽しかなかったんだよ」
2009年の『ザ・レジスタンズ』以来の新作となる『ザ・セカンド・ロウ~熱力学第二法則』は10月3日にリリースされ、ニュー・シングル"マッドネス ~狂おしい愛"やロンドン・オリンピック公式ソングとなった"サヴァイヴァル"、さらにダブ・ステップからの影響の濃い"ザ・セカンド・ロウ ~熱力学第二法則:維持不可"など13曲を収録し、どれもロンドンでレコーディングされたというアルバムになっている。
なお、バンドは10月から12月にかけてヨーロッパ・ツアーを敢行する予定で、来年1月には来日公演も行うと発表している。
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