ビートルズ、ストーンズをアメリカに紹介した伝説の興行マンが他界

ビートルズ、ストーンズをアメリカに紹介した伝説の興行マンが他界

ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズをアメリカに初めて招聘したことで知られるアメリカの伝説の興行マン、シド・バーンスタインが95歳で他界した。8月21日の朝、安らかに永眠についたと娘のケイシー・ドイッチが明らかにしている。

バーンスタインは1965年にニューヨークのシェイ・スタジアムで行われたビートルズの伝説的なライヴを手がけたことで知られていて、スポーツ観戦向けのスタジアムで史上初めて行われた音楽コンサートとなった。その前年にバーンスタインはビートルズの初のアメリカ・ツアーも手がけていて、カーネギー・ホールへの出演も実現させている。

また、ストーンズの最初の5度のアメリカ・ツアーもすべてバーンスタインが手がけることになり、ザ・キンクス、ジ・アニマルズ、ハーマンズ・ハーミッツなど多数のイギリスのバンドをアメリカに紹介することになり、自身を「ブリティッシュ・インヴェイジョンの父」とも呼んでいた。

そのほかにもバーンスタインは、ジミ・ヘンドリックス、ジェイムス・ブラウン、フランク・シナトラ、レイ・チャールズ、ジュディ・ガーランドらの興行を請け負ったが、アバのアメリカでの初のツアーも手がけることになった。

自身のオフィシャル・サイトでバーンスタインは自身の仕事の哲学を次のように語っていた。
「僕が成功した秘訣は、僕がずっと音楽が好きで人も好きだからなんだよ。興行の世界で活躍している人たちは今では、ほとんどが音楽というアートのためにやってるわけではないんだ。コンサートを開催してどれだけ儲けるかという話なんだ。もちろん、それが悪いわけじゃないよ。僕たちは資本主義社会で生きているんだからね。だけど、アートへの思いみたいなところはずいぶん失われてしまったなと思うんだ。金のためだけというんじゃ寂しいよ。好きだからやっているっていうものであるべきだよね」

また、バーンスタインは昨年、カヴァー集『Bernstein Presents』をiTunesでリリースし、93歳にしてアーティスト・デビューを果たすことにもなった。バーンスタインは50年連れ添ってきた妻ジェラルディンと6人の子供たちや6人の孫に恵まれていた。

(c) NME.COM / IPC Media 2013
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