パール・ジャム、最近の音楽シーンについて「人々はあえてゴミを好んでいる」と語る

パール・ジャム、最近の音楽シーンについて「人々はあえてゴミを好んでいる」と語る

10月23日に新作『ライトニング・ボルト』をリリースするパール・ジャムだが、エディ・ヴェダーはパンク的な楽曲からバラードまでと多岐にわたる新作について、「今のバンドには可能性のすべての振幅を探っていける状況が整ってるんだ」と語っている。さらにバンドの現状についてエディは次のように『ローリング・ストーン』誌に説明している。

「俺たちはいまだかつてなく一番グループという形になっていて、みんなの間の間合いがすごく健全になっていると思うんだ。元々音楽をやるというのは、いつだって全員の人生にとってはものすごく大きいことだからね。でも、それと同時に俺たち全員にとってみんなが家族とともに過ごすことも重要で、家庭で不在の父親とならないことが大切なんだよ」

歌詞的には今作では死を多く扱っているというが、エディ自身は現在、ここ数年のうちでも最も体調もいいと語っていて、必ずしも自身の老いを歌っているわけではなく、むしろ生きづらさみたいなところをテーマにしていると説明している。

「俺としてはきっと思春期を生き抜くのが一番人生でしんどいことなんだろうと思ってたんだけど、でも、本当にしんどいのは他人の老いを見つめなきゃならないことで、人の死と折り合いをつけていかなければならないということなんだ。多くの人はそれを拒絶するわけで、それで身体に無理を強いることにもなるわけだよ。だけど、身体の寿命を延ばしていくために、やがては自分の身体をいたわるようにもなるわけなんだね」

また、楽曲的により繊細な一面をここ数年意識的に打ち出しているのかという指摘には、感傷的な感情を探っているとエディは答えていて、実はずっとこうした情緒性を扱ってきたつもりだったが、それでもずっとマッドハニーのマーク・アームにケチをつけられないような形で装ってきたつもりだとエディは説明している。ただ、最近ではもうそういうことは気にしないで、閃いたままに曲を仕上げてしまうことにしていると語っている。

その一方で最近のポップ・ミュージック全般については、ゴシップ・ジャーナリズムのようにしか思えないとエディは語っていて、人々はあえてゴミを好んでいるように思えて、しかも、そこに意味があるとも思えないと語っている。今年の夏に聴いたポップ・ソングにはどこにも有機的なものが感じられなかったと述べてから次のようにも語っている。

「かつてボノはよく『ロックンロールを隙間産業にさせてはだめだ』というようなことを言っていて、ぼくは『なにを大袈裟なことを言ってるんだろう。ちょっとロックを見くびり過ぎてるんじゃないか』と思ったものだったんだけど、でも、今は何が言いたかったのかよくわかるよ。でも、他のポップ・ソングよりも多少なましなポップ・ソングに気がつく時というのは、たいてい本物のギターとドラムを使っている曲なんだよね。やっぱり今もね、最高のものは自然な要素を備えているものなんだと思うよ」
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