ニール・ヤング、自身の高音質デジタル音楽システム「ポノ」について語る

ニール・ヤング、自身の高音質デジタル音楽システム「ポノ」について語る

資金募集サイト、キックスターターで数日にして目標金額の80万ドルを超えてしまったニール・ヤングの高音質デジタル音源システム「ポノ」だが、その手応えをニールは『ビルボード』誌に語っている。

ニールは資金募集と共に、ポノミュージックというデジタル音源配信サイトの運営とポノ・プレーヤーの販売を展開していくことになるが、わずか数日で200万ドル(約2億円)を突破した好評ぶりに「これがいつまで続くのかなってみんなで首をひねってるんだけど、でも、今のところ順調だよね。どうも俺たちが提供しているものにはマーケットがあるみたいだと考えざるを得なくなってきているね」とニールは心境を語っている。

ここまで反応がよかった理由については次のようにニールは推測している。
「いい音で鳴る音楽を憶えてる人がまだまだたくさんいたんだということだと思うよ。割りと上の世代になると思うんだけどね。たぶん、今失われてしまっているものについてわかってない人たちじゃなくて、今失われてしまっているものをよくわかってる人たちなんじゃないのかな。もちろん、好奇心からっていう人もいるだろうけどね」

その一方で自分の娘に聴かせたところ、なんでこういう音を自分はこれまで聴いたことがなかったのかと問い質され、「こういう音をおまえに聴かせるだけのテクノロジーがこれまでなかったんだよ」とニール・ヤングは答えたという。さらにニールは「今やそのテクノロジーは現にあって俺たちは音楽を取り戻したんだ。別にこれまでこういう音はなかったわけじゃないんだ。俺たちは何も作り出していないんだ、ただ、これまであったものに触れられるようにしただけだよ」と説明している。

また、ニールはレコード会社各社とも長い折衝を重ねてマスター音源を提供するように説得して回ったが、その経緯について次のように語っている。
「(マスターを)手にするまですごい時間はかかったけど、最後には連中も引き渡してくれたからね。大金を支払わなければならなかったとか、そんなことはなかったよ。ちゃんと話してみれば、連中も俺たちと同じだとわかるからね。俺たちは技術屋の、テクノロジー企業とは違うんだよ。俺たちは音楽会社なんだ。そこにはものすごい違いがあるんだよ。俺たちは音楽なんだ。俺たちはそれだけのためにこれをやってるんだ。そして、俺たちは音楽にはできるかぎりいい状態であってほしいんだ」

また、プレーヤーの機能のグレードアップなどは将来的にあるのかという問いには次のように答えている。
「今回の商品紹介は、基本的な音楽プレーヤーってことなんだよ。これは電話なんかじゃないから。俺たちは電話なんか作る必要はないし、電話なんか作りたくないんだよ。俺たちは音楽を再生すること以外にやりたいことはないんだ。音楽以外のことはいろんな人たちがいろんなレベルの品質で手当てしてるだろ。でも、それは俺たちとは関係ないことだよ。ものすごい音楽プレーヤーを作るという目的を遮るすべてのものについて、俺たちは関心がないんだ。関心があるのはひとつのことだけ。というわけで、俺たちはそれしかやらないんだ」
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