タイラー・ザ・クリエイター、SXSWで暴動を煽ったと逮捕されるも弁護士らが反論

タイラー・ザ・クリエイター、SXSWで暴動を煽ったと逮捕されるも弁護士らが反論

サウス・バイ・サウスウェスト・フェスティヴァルで行ったライヴで暴動をけしかけたとして3月15日に逮捕されたタイラー・ザ・クリエイターは、容疑を全面的に否定する声明を発表している。

タイラーは3月13日に行われたライヴ・イヴェントで会場が満員になっていたにもかかわらず、観客にセキュリティを無視して会場に入れと呼びかけたとされていて、これが暴動を引き起こそうとした騒乱煽動とみなされ、15日にオースティン・バーグストローム空港で警察に逮捕された。

タイラーは2万5千ドル(約257万円)の保釈金を支払い釈放され、その日のうちにダラスに向かって公演を行っているが、有罪が確定すると最高で禁固刑1年と罰金4000ドル(約41万円)に処せられる可能性がある。これに対してタイラーの弁護士のペリー・Q・ミントンはこの時のタイラーの行為は暴動を扇動するようなものには当たらないと次のような声明をAP通信に発表している。

「このコンサートのいかなる瞬間においても、プレスで報道されているようにタイラーが暴動的行為を煽ったり、加わろうとしたりした事実はありません。動画や証言などにより、この日ライヴに参加した出演者やファンもこのようなタイプのイヴェントに特徴的な明るいエネルギーに満ちていて、怒りや攻撃性などはまったくひけらかしていなかったことは明らかです」

警察は満員になった会場のセキュリティの封鎖を押し切って会場へと押し込んで入場しようとするファンの姿を捉えた動画を公開しているが、この現場の内実についての警察の解釈は誇張が過ぎるとミントンは指摘している。

「ファンがゲートを突破した後、会場で行った和やかで陽気な振る舞いを暴動として説明する警察やメディアの解釈は、実際に起きていた活動についての実に残念で不正確な説明だといえます」

さらにミントンは大きな会場において警察が市民を守り、安全を提供する必要があることはタイラーも大いに認めていたと説明していて、その使命を妨害するつもりは毛頭ないとしているが、タイラーからの謝罪は声明では表明されていない。ミントンは次のようにタイラーについて説明している。
「タイラーは暴力的な人間ではありませんし、他人に危害が及ぶような行為を意図的に行うこともありません」

また、タイラーのマネージャーのクリスチャン・クランシーもほぼ同じ内容の擁護を自身のタンブラー・ページで行っている。
「SXSWで行われたコンヴァースとスラッシャー誌のタイアップ・ライヴでタイラーは実にパンク・ロック的な瞬間に遭遇したんだ。ただ、この時のエネルギーやライヴの目的は怒りとか攻撃性というものではなかった。じゃあ、フォーク的なほのぼのとしたものだったのかというと、もちろん、そうじゃないよ。ただ、ちゃんとあの時の空気が報道されていないように思うんだ。誰も怪我していないんだから。にわかに信じがたいのはわかるけど。でも、この時のライヴの全体を収録した動画もユーチューブに上がってるから、それを確認してほしいな。キッズが走ったり歩いたりしているたった7秒の動画じゃあのイヴェント全体をまとめたことにはならないよ。タイラーのライヴは攻撃性をただ積み重ねていくものじゃなくて、もっとポジティヴなカタルシスを伴うものなんだ(ぼくが若かった頃、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやメタリカのライヴが自分にとってある種のセラピーになっていたのと似たようなものだね)。ライヴが終わったら、みんな楽しそうだったし。バック・ステージでもバッド・ヴァイブは皆無だったよ。マネージャーとして、誰からも例の『事件』を持ちかけられることもなかったし」

なお、3月12日にSXSWの一環として行われたカニエ・ウェストとジェイ・Zのライヴではタイラーがクラウド・サーフィンをしていたところが目撃されている。また、その日の深夜にはタイラーもライヴを控えていたが、死者3人を出した車の暴走事故が会場付近で起きたため中止になっている。

(c) NME.COM / IPC Media 2014
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