2日目のトリを飾るのは昨年と同じく、くるり。だが、そこにクリストファーの姿はない。ここにいるほとんどの人にとっては、きっと今日がネクストくるりを目撃する最初の機会だろう。フロアは開演前から隅から隅まで人でいっぱい。くるりの何度目かの旅立ちを共に見守ろうと、その時を待っている。
20:48、サポートの臺太郎(Dr)&堀江博久(Key)も含めた全員が白シャツ+ネクタイという出で立ちで登場。しばしジャムった後、いきなり“ワールドエンド・スーパーノヴァ”! 放たれる一粒一粒の音が、ヴィジョンに映る七色の光よりも遥かにカラフルに変幻し、空間を染め上げていく。心音のようにダイレクトに響くビートに体を委ねるオーディエンス。フロアが大海のように揺れている。
20分にわたる夢幻の音楽遊泳の後、彼らは数々のアンセムを力強く鳴らしていった。なんと壮大な景色を描くバンドになったのだろう。彼らが歩んできた道は決して平坦じゃなかった。様々な壁にぶつかり乗り越えた上で、今ここで素晴らしい音楽を鳴らしている。その事実に堪らない気持ちになる。
途中、2月発売の新曲“BIRTHDAY”が披露された。これまでもたくさん始まりの歌を歌ってきたくるりだが、“BIRTHDAY”はその中でもとびきりのぬくもりと生きる喜びに溢れた曲だった。このキラキラした陽だまりのような場所から、再びくるりは歩き出していく。彼らはまた新たな理想郷をその手に掴むのだろう――“ロックンロール”で「振り返ることなく天国のドア叩く」という一説をリアルに響かせる3人を観ながら、そう確信した。(有泉智子)
1 Jam Session
2 ワールズエンド・スーパーノヴァ
3 マーチ
4 窓
5 新曲
6 ばらの花
7 BIRTHDAY
8 ワンダーフォーゲル
9 HOW TO GO
10 ロックンロール
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